琥珀色の戯言

【読書感想】と【映画感想】のブログです。

荒野 ☆☆☆☆


荒野

荒野

■内容紹介■
山野内荒野、12歳。恋愛小説家の父と暮らす少女に、新しい家族がやってきた。“恋”とは、“好き”とは? 感動の直木賞受賞第一作

 30代後半の僕にとっては、読んでいてなんだか気恥ずかしくなってしまうような「女の子の本」でした。
 12歳、中学校に入学したばかりの山野内荒野、大人になること、女になることに対して頑なに拒絶反応を示していた彼女が少しずつ変わっていく姿を桜庭さんは淡々と、かつ精緻に描いていきます。
 僕は女の子だったことがないので、これが本当に「リアル」なのかどうかはわからないのですが、この本を読んでいると、女の子の「思春期」ってこんな感じなのかな、と納得させられてしまうんですよね。
 桜庭さんのすごいところは、この500ページを超えるけっこう長い小説を、「突然の家族の死」とか「恋人の難病」とかいうような「飛び道具」に頼らずに書き切っているところだと思います。読み終えて、「じゃあ、この物語のなかで、山野内荒野とう少女そのものに、なにかすごく劇的なイベントが起こったのか?」と考えてみると、本当に「何もたいしたことは起こっていない」のですよね(「山野内家」は、お父さんのおかげで波乱万丈な家ではあるとしても)。そんな日常の積み重ねをこんな「作品」にしてしまうんだから、やっぱり桜庭さんはすごいよなあ。
 基本的には、「女の子」のための小説なのではないかと思うのだけど、もしかしたら、同世代の女の子は、「こんなのガキっぽい」とか感じていて、『ツ、イ、ラ、ク』のほうが「リアル」だったりするのだろうか……


ツ、イ、ラ、ク (角川文庫)

ツ、イ、ラ、ク (角川文庫)

ネットができないとき、何をしますか?


ネットができないとき何をしますか? - かみんぐあうとっ (2008/8/16)

↑のエントリを読んで、ああ、僕も「読書」だなあ、と思ったのですけど、考えてみると、僕の場合、ネットができないことによっていちばん変化するのは「睡眠時間」なんですよね。ネットがあると、ついつい25時、26時までダラダラと巡回したり更新したりしてしまうのですが、ネットができないときは、本読んでてもテレビ観てても、24〜25時くらいにはキッチリ眠くなってしまいます。ゲームやってるときは、ネットと同じくらい夜更かししてしまうこともありますが。
バイルパソコン所持、Air-H"完備の僕にとっては、「ネットがやりにくい環境」にいるときって、(あえてパソコンを持ってきていない)旅先だったり、実家に泊まっているときだったり、夜まで仕事をしていたりと、「かなり肉体的・精神的な疲れが蓄積している状態」だからなのかもしれませんけど、ネットができない日の就寝時間って、たぶん、ネットができる日より1時間以上早いのではなかろうか。
そして、最近実感しているのは、「早く寝るのって時間がもったいなく感じるけど、夜中にネットを徘徊して、『2ちゃんねる』で同じようなコメントをリロードして何度も読むよりは、さっさと寝て翌日に備えたほうがはるかに有益」なんですよね。
睡眠時間が短いと、どうしても日中眠くなったりして仕事上のリスクが増すし、それでちょっと昼や夕方にウトウトしてしまったりすると、その日の就寝時間も遅くなってしまって、悪循環に陥ってしまうばかりです。
いや、夜中に1時間かけてリアルタイムで更新されるのを追っていくよりは、朝になってその「結論」をまとめて読んだほうが、はるかに効率的なんだよね。たぶん、そうすれば同じ情報を得るのに30分もかからないはず。
それでも、なんとなく「眠りたくない」「時間がもったいない」から、ついつい遅くまでネットをやってしまう。
「ネットができないとき何をしますか?」というのは、ある意味、「ネットによって何を失っているか?」という問いかけでもあると思うのです。
僕はネットができないときは、いつも、「ああ、僕はこんなに眠かったんだ」と感じます。
でも、翌日になってネットができるようになると、また嬉々として夜更かしして「取り返してしまう」んだよなあ。

真面目な話、夜は遅くまでネットに浸るより、早く寝たほうがいいよ。
そうすれば、たぶんいろんなことがうまくいく。
余計なことを書いたり読んだりしにくくなって、ネット上でもたぶん、うまくいく。

寝るのは時間のムダだと僕はずっと思っていたけれど、最近つくづく感じる。
人間はネットをやらなくても生きられるけど、眠らないと生きられない。

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