琥珀色の戯言

【読書感想】と【映画感想】のブログです。

序章(2)

というか、序章に(2)なんてあること自体が間違っている。
まあ、それはさておき、話を進めていこう。
まず最初はサイトめぐり、それは誰もが通る道だろう。
そしてそこで、道は2つに分かれていくのだ。
 ひとつは、インターネットをツールとして使っていく、という道。
なんのかんの言っても、家から一歩も出ずに「美味しいハンバーグの作り方」が調べられたり、贔屓のマイナー野球チームの試合経過が、観たくもない巨人戦中継を観ずにリアルタイムでわかる、というのが、ものすごく便利なのだ。
クロス探偵物語」なんて、ネット無しでは永久にクリアできなかったと思う。だいたい、なんなんだあの柱は。
 
 話がまたそれた。
 もうひとつのインターネットとの関わり方は、「自分で何か『繋がり』を求めていくという道だ。
 
 最初は、「知らない人とやりとりするのはなんだか不安」という印象を持っていた。インターネットの社会には、実社会よりキツイ物言いをする人間が多いみたいだったし、なんだか独特の閉鎖社会があるような感じで、初心者が気軽に入り込めるような感じがしなかった。顔文字も苦手だったし。

 たぶん、僕は前者の道を行くはずの人間だったと思う。もともと自己主張がそんなに強いわけでもないし、語るべきものは、何も持っていないような気がしたからだ。受け手として利用する、それで、充分なはずだった。
 
 しかし、僕は、いともあっさりとネットにハマってしまった。
 それは、「出会い系」に手を出してしまったからだ。
 職場が田舎の病院であたこともあって、夜に時間ができれば、酒を飲まない(もしくはオンコールで飲めない)日にやることは、本を読むかテレビゲームをやるくらいしかなかったから。
 彼女とも離れていたし、なんのかんの言っても、寂しかったのかもしれない。
 誤解を招かないように言っておくと、この「出会い系」は、純粋にメールフレンドを募集するもので、僕は実際に相手に会おうという気は、全然無かった(もちろん、その条件でメール相手を募集していた)。
 言葉は悪いが、これはけっこう面白かった。
 何が面白かったかというと、要するに、それは駆け引きだったからだ。
 「こんな人には、こんなふうなメールを出せば、返事がもらえるんじゃないか?」
 それが見事に的中したときは、やっぱり嬉しい。
 「あっ、返事が来た!」って。
 それは、友達作りというより、まさにコミュニケーションゲームだった。

 中には、何年かずっとやりとりを続けた人もいた。
 確率はものすごく低かったけど、実際に、メールのやりとりをするのが楽しくなった人もいたのだ。
 
 
 

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