琥珀色の戯言

【読書感想】と【映画感想】のブログです。

[あること」と「ないこと」と

医者をやっていて困ることのひとつに、「絶対、○○じゃないですよね!」という質問があります。
例えば、「絶対癌じゃないですよね」と問われたとき。

「癌である」ということを証明するには、その組織の一部から病理学的に癌細胞・癌組織が検出されればいいのですが、「絶対に癌ではない」ということを証明するというのは、ひどく難しいのです。例えば、病理で癌細胞が含まれていなかった場合、「組織を採取する場所が悪かったのではないか?」と悩むことになるし、「目に見えないような小さな癌」がどこかに無いのですか?と問われれば、「絶対にない」なんて言うのは不可能です。「ないこと」を説明しようとしても「そんなはずがない、嘘だ!本当はあるはずだ!」と頭から否定されては、どうしようもないですし。

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