琥珀色の戯言

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野村ノート

野村ノート

野村ノート

紀伊国屋で平積みになっており、けっこう売れていたみたいです。ちょうど楽天の新監督に決まった、ということもありますし。
この本に書いてある野村さんの「理論」に実際に接してみると、三木谷さんが心酔して、野村さんに監督を頼みたい、と思ったのもわかるような気がします。野村さんという人は、野球というスポーツを本当に理論的にやっているのだなあ、と。ひとつのプレーに、「意味」がこんなにこめられているとは。確かに、これを積み重ねていけば、強いチームができるだろうなあ、と思います。
しかしながら、その一方で、「オレは古田を育ててやったのに、年賀状も送ってこない」なんていうボヤキが書いてあったりして、「人間・野村克也」と付き合っていくのは、けっこう疲れるのではないかな、というのも伝わってきます。いや、年賀状って社会人的には、そんなに大事だったのか、と。そもそも、そんなこと本に書かなくても…とも思うしね。先日のパリーグプレーオフでも終始ボヤキっぱなしだったのは、観ていてあんまり愉快じゃなかったし、この「良薬」は、あまりに苦すぎるのかも。その一方で、意外な選手が、「野村理論」を自分の職場で活かしているというのに、野村さん自身が驚いていたり。
どんなに頭のいい人でも、人間の心というのは、なかなかわからないのですよね。もっとも、わからないからこそ「体系化された理論」が必要なのだと考えているのが野村さんなのでしょうけど。
あるていど野球の知識があって、野村さんに興味がある人には、オススメの本だと思います。いかに日常のひとつひとつの行動に「意味づけ」をしていくか。僕自身にも必要なことだよなあ。

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