琥珀色の戯言

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「無断リンク論争」に思う

http://blog.goo.ne.jp/satomies/e/003ee673fbd504217bbc9c4aa1791a87

 僕がこれを読んで最初に思ったことは、学校のWEBサイトの担当の人も大変だろうなあ、ということなのですよね。僕は今の教育現場に関してそんなに詳しくはないのですが、実際問題として、一般の教育現場での「学校のサイトの管理者」というのは、ちょっとコンピューターに詳しいということで、その役割を頼まれた先生とか、事務の人とかが多いのではないかと思うのです。彼らはネットワーク管理のエキスパートではなく、これ専任でもない。にもかかわらず、仕事の合間にこういうメールへの対応を強いられるというのは、とても辛いだろうなあ、と。「それも仕事のうちだろう!」というのって、確かに間違ってはいないのですが、そういう「実験」のために、担当者はけっこう大変な思いをしているということは、想像しておくべきことだと思うのです。
 「サイトを公開していて、『リンクするには問い合わせを』と書いてあるのだから、対応するのが当然だろう」という意見にしても、正直、問い合わせる側に、それなりの「必要性」を感じなければ、紋切り型のリアクションをするしかないような気がします。これだけ、学校のセキュリティが問題になっている御時勢ですので。たとえば、保護者から、「自分の子どものこのような(リンク)ホームページにリンクしたいのですが…」というような要請であれば、もっと違った反応があったのかもしれません。この「問い合わせのメールの内容」だと、担当者が「もし、小児ポルノのサイトとかに許可を与えてしまったら…」などと不安になったのかもしれないし。
 それにしても、僕がこういう論争に関して感じるのは、どうしてネットに詳しい(と自分で思い込んでいる)人は、他の初心者に対して寛容であったり、謙虚であることができない人が多いのだろう?ということなんですよね。
 例えば、タバコを吸うというのは、今の日本の法律で許容されている行為です。でも、「禁煙ではない場所だから」といって、赤ん坊やタバコを苦手としている人に煙を吹き掛けるという行為を「禁止されていないから正しい」と声高に言うのって、どうでしょうか?
むしろ、「自分にとって実害がある可能性がないかぎり、基本的に他人の嫌がることはしない」っていうのが、常識的なマナーの範疇だと僕は考えているのですけど。
 そう考えると、どうして「リンクして欲しくない」と言っている人のところに、わざわざリンクするのか疑問なのです。相手が権力者で、世界に嘘をばら撒こうとしているのならともかく。「誹謗中傷と正当な批判とは違う」のかもしれませんが、「議論したい人」は、議論したい人どうしでやればいいんじゃないでしょうか。そもそも、ネット上には、「誰がどうみても間違っている意見」に対して、わざわざ「正当な批判」をしてみせる人が多いのですが、そんなの、わざわざあなたに言われなくたって、みんなわかっているんだってば。
無断リンク」云々より、ネットの向こう側の人に、もうちょっと「思いやり」を持つことはできないのかなあ。
そこまでして「反論」するほどの意見なの?
その「正しさ」には、他人を傷つけても貫くほどの価値があるの?

 でも、僕もこの「実験」の結果が、気になるのは確かなんだよね……

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