琥珀色の戯言

【読書感想】【映画感想】のブログです。2016年8月より、『はてなブログ』に移行しました。

姉歯物件

http://d.hatena.ne.jp/henkutsu/20051218

このサイトに書いてあることを読んで、最近の「自己責任論」みたいなのに僕が感じていた違和感の正体みたいなものがちょっと分かったような気がしました。確かに「地震の被害者には微々たる援助しかされなかったのに…」という気持ちはわかるのですが、そこから「だから今回の偽装マンションも国が援助するなんて」という方向に話がいくのは、やっぱり何かおかしい。どうして、「地震のときも、もっと援助するべきだった」という話にならないのでしょうね。
そもそも「自己責任!」なんて言っているけれども、僕たちだってそんなに用心深く生きているわけではないし、さすがにイラクに旅行しちゃったりするのはアレだとしても、このくらいの「油断」なんて、いつやっちゃってもおかしくないと思います。彼らを「自己責任なんだから」と「安物買いの銭失い」を嘲笑っている人が住んでいるマンションだって、調べれば欠陥マンションの可能性は十分にあるわけで。国家による社会保障っていうのは、こういうときにこそ必要なものなのだろうし、そのために税金を払っているのだから、そこまで国民がみんなものわかりがよくなってどうするのでしょうか。「日本には金が無い」のは周知の事実だけれども、そんならいっそのこと増税してでもちゃんと保障してくれる国になってほしいとも僕は思うのですよ。もちろん「自己責任」の範囲というのはあるのだけれども、自分で自分の首を絞めるような、過剰な「自己責任論者」って、たぶん、想像力が決定的に欠落しているのではなかろうか。失敗した他人を嘲笑って喜んでいるつもりで、自分の首がゆるやかに絞まっていっていることに全然気付きやしない。

あと、今回の件で被害者の方が、テレビのインタビューのなかで「姉歯さんは、『自分や家族の生活のためにやった』と言っていたけれど、食べるものがないからといって、泥棒をしてもいいということにはならないはず」と仰っていて、僕はこのごく当たり前のはずの言葉の意味をずっと考えているのです。正直、今の社会というのは、「自分が食べるものがなかったら、泥棒するのも自由」だと思っている人が、けっこう多いんじゃないか、とか。「だって、困っているんだから、しょうがないんじゃない?」って。たぶん、社会というのは、いろんな人の目に見えないプライドがなんとか支えているもので、そういう個人個人のプライドが低下していくと、世界はどんどんガタガタになっていく予感がします。

それにしても、姉歯氏や小嶋社長という「絶対悪」に対して嬉々として罵倒を繰り返すマスコミや議員の姿というのは、それはそれで感じ悪いものではあるんですけどね。ああみなさん気持ちよさそうですね、とか。

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