琥珀色の戯言

【読書感想】と【映画感想】のブログです。

「はてなダイアリー」というコミュニティ

http://www.mypress.jp/v2_writers/reiko_kato/story/?story_id=1344899

※これって僕の個人的な印象なので、そのつもりで読んでくださいね。

 僕はβテスト時代から、ずっとこの「はてなダイアリー」を使っているのですけど、自分では「そろそろ2年くらいかな」と思い込んでいたのですが、調べてみたら、もう3年以上もやっているんですね。自分でもびっくりしました。初回は2003年2月17日。借りたときの印象としては、「面白そうなサービスだけど、いつまで続くかわかんないよなあ。『はてな』そのものもなんだかこじんまりとしてるし。でも、どうせタダだし話のタネに借りてみるか…」という感じだったんですけどね。それがまさか、これだけ多くの人(ユニークアクセス1日500〜1000くらい)が読んでくれるようになるなんて、まったく「想定外」の出来事です。ネットには「管理人が気軽にはじめたコンテンツほどウケるという法則」があるらしいのですが、まさにそのパターンなのかも。最初は、メインサイトhttp://www5f.biglobe.ne.jp/~iyatsue/)に書ききれなかったこと、あるいは、書くのがいろんな意味で「不適切なこと」を書くためのスペースのつもりだったのですけど、もしかしたら、こちらが「表」だと思っている人もいるのかもしれないなあ。

 それで、ずっと「はてなダイアリー」を使ってきて思うのは、やっぱり「はてな」っていうのは「ちょっと自分は他人と違う」と思っている人の割合が多いのはないか、ということなのです。
 ちょっと前に、

このブログがすごい! 2006

このブログがすごい! 2006

↑という本を読んだのですが、その中に、このような記述がありました。

株式会社はてな」が運営する「はてなダイアリー」は、ブログという言葉が浸透していなかった時期からサービスを開始したブログプロバイダーの草分け的な存在である。このため、それまでウェブサイトで発信していた文化人やネット愛好家、プログラマなどがこぞって使用し始めたため”玄人筋”の人たちがユーザーに多いことでも知られている。
 そんな「はてなダイアリー」の大きな特徴が、”横のつながり”の深さだ。はてな内には、ユーザー同士のコミュニケーションを促進するための工夫が随所にされているのだが、その代表的なものが「キーワードリンク」である。これは、はてなの中に登録されたキーワードを日記に書き込むと自動的にリンクが貼られるというシステムで、そのリンク先には、意味の解説だけでなく、そのキーワードを含む日記の一覧も表示される。つまり、自分と同じ話題について語っている人を簡単に見つけられるようになっているのだ。

これを読んで思い出したのですが、確かに、僕が「はてなダイアリー」のβテストに参加した時期には、「ブログ」っていうものがあるらしいけど、それって今までのウェブサイトと何が違うんだろう?というふうな印象でした。そして、初期の「はてなダイアリー」に参加していた人の多くは、当時の一般的なネットユーザーよりは、「ちょっとパソコンに詳しい」「ちょっとネット依存性が高い」人だったと思います。そもそも「はてな」は、プロバイダーサービスは行っていませんから、他のプロバイダー系のブログに比べれば、「うちはniftyだからココログ」とかいうような選ばれ方とすることはほとんどなかったはずなんですよね。だからまず「はてな」そのものに辿り着くというステップが必要であり、そこである程度、参加者に「偏り」ができたのでしょう。
 そして、この3年間の僕の印象として、とにかく「はてな」には「普通の日常日記」が少ないなあ、というのがあります。前述したような「はてなダイアラーになるためのちょっとした敷居」があるために、「はてなダイアリー」を使う人たちは、「玄人筋」というか、「何かを発信したいという欲求が強い人」が多いのではないでしょうか。
 ただし、↑の本によると、各ブログサービスの利用者数は(2005年10月の時点)、

はてなダイアリー:約20万人
ライブドアブログ:86万人
アメーバブログ:57万人
楽天広場:48万人
gooブログ:37万人
エキサイトブログ:36万人
ココログ:12万人

となっており、コアユーザーはさておき、はてなダイアリーの20万人のユーザーがみんな同じような傾向を持っているというわけもないのでしょうが。しかし、会社の規模を考えれば、この「20万人」というのはたいした数ですよね。

 あと、「はてなには人気ランキングがない」という点に関しては、「はてなダイアリー」のコンセプトが「横のつながり重視」だからではないでしょうか。もちろん、技術的には、「人気ダイアリーランキング」とかを作ることは、全然難しいことではないと思うのですよ。でも、それを「あえてやらない」のがはてななのだろうな、と。そもそも、はてなダイアリーというのは、他のブログサービスが行っている「有名人を囲って、人を集める」とか「公式ブログ指定」などというのを今までずっと行ってきませんでした。そして、はてなダイアリーにも人気ブログがたくさんあるのですが、その割には、眞鍋さんのブログみたいに、「トラックバックが何千も!」というのは見たことがありません。たぶん、ダイアラーたち自身にとっては、相手がどんな人気ブログであっても、同じ「はてなダイアリー」であるかぎりは、「並列」で「平等」であるという意識が強いのが「はてな界隈」なのだと思います。「憧れの○○さんにトラックバック!」みたいなのって、あんまりないですよね「はてなダイアリー」って。
 「はてなダイアリー」で未知の人が自分のところに来てくれるルートというのは、「検索」「キーワードリンク」「関連サイト」「他の人のはてなアンテナ経由」が多いので、やはり「はてなダイアラー同士の交流」というのが多くなりがちなのは仕方がないのかもしれません。実際に「はてな」で書いていると、他の「人気ブログランキング」とか「新着ブログ紹介」とかよりも、この「はてな」のシステムというのは、「より多くのサイトに平等」であるような気がします。「さるさる日記」の掲示板には、「1日10人も読みにきてくれません」なんて嘆きが列をなしていますが、「はてな」でそれなりに世間に話題になっていることに言及すれば、そのキーワードが含まれているだけで、「1日50人」くらいは来てくれます。もっとも、その人たちがリピーターになってくれるかどうかは別の問題だし、僕の印象としては、「はてな」(あるいはブログというシステム)は「熱しやすく醒めやすい」というか、「一度話題になれば何千人もがドッと押し寄せてくるけれど、何日かすればまた閑古鳥」になりがちではあるんですよね。
 今のブログ戦国時代では、どこのブログも自分たちのところのユーザーの「囲い込み」を図ってくるのは当然ですし、そのためには、「アメブロどうし」とか「エキブロどうし」とかで「同じ会社サービスの利用者どうしが繋がりやすくする」ようにしているのでしょう。携帯電話会社と一緒で、「ブログを変えたら、今までの繋がりが無くなってしまうかも…」というのは、ユーザーにとっては大きな「ブログサービス変更抑止力」でしょうし。ユーザーとしては、他のブログも繋がりやすいほうが良いには決まっているのですが、それでも、現在の「さるさる日記」のような「太平洋ひとりぼっち状態」よりは、はるかにマシなわけですから。
 まあ、「はてな」に関しては、「発信したい人」の多さというのが、ときに「絡んでくる人」の多さになってしまって、煩わしく感じられることも僕にはありますが、それでも、「はてなダイアリー」というのは、僕にとっては居心地の良い場所だし、同じ「はてなダイアラー」には、少しだけ親近感も持っているんですけどね。たぶん「はてな」がなかったら、ブログらしきものをやることもなかっただろうし。

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