琥珀色の戯言

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割りばし死亡事故、「延命の可能性低い」として医師に無罪判決

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060328it11.htm

正直、同業者としてはホッとしました。あの状況で「有罪」になって刑務所に入らなければならないとしたらあんまりです。
参考:http://www5f.biglobe.ne.jp/~iyatsue/suginami.htm

ただ、この記事をよく読んでみると、【裁判長は診断上のミスがあったことを認めたが、「治療したとしても延命の可能性が極めて低かった」と述べ、無罪(求刑・禁固1年)を言い渡した】とありますので、この判決は、必ずしも日本中の当直医を安堵させるものではないのも事実です。裁判長は、「状況を考えると仕方なかった」のではなく、「もしその場で検査をしていても助からなかった」ということで「無罪」にしているのですから、同じような事例で、「CTを撮っていたら助かった可能性がある」と判断されれば、実刑判決を出す可能性がある、と司法は述べているのです。あの特殊な事例が「診断ミス」だと判断されるというのは、医療者としては、「恐怖」以外の何物でもありません。
そこまで医療というのは買いかぶられているのか…という暗澹たる気持ちばかりが深まっていくのです。

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