琥珀色の戯言

【読書感想】と【映画感想】のブログです。

毎日かあさん3

毎日かあさん3 背脂編

毎日かあさん3 背脂編

 母親からみた「息子」と「娘」って、こんな感じなんだなあ、と、あらためて考えてしまいました。いや、女の子っていうのは、当たり前のことなんだけど、子供のころから「女」なのだなあ、とか。
 西原さんの描いたものを読んでいていつも感じるのが、「みんな、一生懸命生きているんだ」ということです。そんなこともわからないのか、と言われればそれまでなのですが、僕の視点から見た人生というのは、自分自身を代表として「もっとがんばればいいのに」というような人だらけなのですけど、西原さんの漫画を読んでいると、「みんな、それぞれ事情とかを抱えながら、それなりにがんばっているんだよな」という優しい気持ちになってくるのです。まあ、それは「甘い」のかもしれないけどさ。
 「母」って言うけれど、それは誰かの「娘」でもあり、「妻」でもあり、「友達」でもあり、「漫画家」でもあり、そして、「自分自身」でもあるんですよね。人というのは、ほんとうにさまざまな面を持っているにもかかわらず、それぞれの「役割」によって、いろんな先入観を押し付けられているものなのですよね。

 私達お母さんね、週末の一日のちょっとの時間でいいんだ。
 自分のこと聞いてほしい。

 ああ、なんだかとても読んでいてせつなくなりました。
 たぶん、どんな人でも多かれ少なかれ、「自分のことを聞いてほしい」んだよね。
 「平凡な主婦」「平凡なサラリーマン」のように周囲から見えたとしても、本人にとっては、いろいろ感じていること、話したいことがあるはずなのです。
 でも、「他人のことを聞いてあげたい」という人は、本当に少ない。

 僕にはこうして語れる場所があって、聞いてくれる人も(たぶん)いるのだから、すごく幸せな人間なのかもしれないな、と思います。

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