琥珀色の戯言

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ぼく、ドラえもんでした。

ぼく、ドラえもんでした。涙と笑いの26年うちあけ話

ぼく、ドラえもんでした。涙と笑いの26年うちあけ話

ドラえもん」の声を26年間あててこられた大山のぶ代さんの著書。
ドラえもん」フリークである僕のとっては、涙なくして読めない箇所がいくつもありましたし、本当に「ドラえもん」を愛するすべての人に読んでもらいたい本だと思います。
正直、僕が「ドラえもんの声」をはじめてテレビで聞いたときには、「うーん、こんな声かなあ…」というような違和感があったのです。いや「絶対違う!」というほどでもないんですけど、なんかこう、しっくりこなかったのです。すぐに慣れてしまったのですけどね。
そして、26年間「ドラえもんの声」をやってきた大山さんに対しては、親しみと同時に「でも、大山さんは『ドラえもん』の声を演じているだけで、『ドラえもんそのもの』じゃないんだから、あんまりドラえもんを自分を同一視しないでほしいなあ」という醒めた感情もあったのです。「ドラえもん大山のぶ代」って言うけどさ、「ドラえもんの声」っていうパーツだけで、キャラクターを自分のものにするなんて、なんだか「ドラえもん商法」みたいでイヤだなあ、とか。
でも、この本を読んでいて、そんな自分が恥ずかしくなりました。大山さんは、本当にドラえもんが好きで、ドラえもんになりきっていたのだなあ、と。そして、のび太、しずか、ジャイアンスネ夫の「5人組」の声優さんたちも、それぞれのキャラクターたちにすごい愛情を注いでいて、「悲しい場面では、涙を流しながら収録していた」のですね。
ずっと同じキャラクターを演じていると、「イメージが固定される」ということで嫌がる人も多いなか、大山さんは、この26年間、「声の仕事はドラえもんだけ」という姿勢を貫いてこられたそうです。

僕としては、「降板の真相」を知りたかったという気持ちはあるし(それが営業的な問題なのか、それともキャストの健康上などの問題なのか)、ある意味「綺麗に書かれすぎている」という印象もあったのですけど、それでも、この本には「ドラえもん」と「ドラえもんを創ってきた人々」と「ドラえもんを応援してきた人々」への愛情が溢れていてます。
ドラえもん」を愛する人間のひとりである僕としては、ずっと手元に置いておくつもりです。

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