- 作者: 吾妻ひでお
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2006/07/06
- メディア: コミック
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「失踪日記」がベストセラーになった吾妻ひでおさんの最新作。というか、作品そのものは「失踪日記」とほぼ並行して書かれていた、「日常日記」なのですけど。コマの間に散りばめられている女の子の絵が、なんだかとても不思議な感じ。
内容はまさに「日常日記」で、「起きた、タバコ吸った、ゴハン食べた」の間に、「仕事(=マンガ描き)」のことが語られていて、残りはほとんど本やテレビの感想なのです。これを読んでいて、吾妻さんは本当にたくさん本を読んでおられるのだなあ、とかなり驚きました。それも、マンガもあれば、かなり難しそうなSFもあり。
しかし、これを読んでいて思ったのは、仕事を除けば、僕もほとんど同じような生活をしているなあ、ということでした。「うつうつな生活」というのがこういうものであるならば、僕も「うつうつライフ」を送っているということになります。あらためてそれを痛感させられると、ちょっと悲しい。
正直、「失踪日記」のような「誰が読んでも面白い」という作品ではないし(そのわりには、装丁が「失踪日記」とよく似ているのは、なんだかあざとい感もあり)、吾妻さん自身か読書かアイスが好きな人でないと楽しみづらいかな、とは思いますが、僕は楽しめました。
そういえば、この本のなかで、吾妻さんが同じ日の日記を2回描いてしまったことが紹介されているのですが、以前中島らもさんが、全く前月号と同じエッセイを書いて出版社に送ってしまったことがあった、というエピソードを思い出しました。
でも、穿った見かたで申し訳ないのですが、吾妻さんがこういうふうにして食べていけるのも、「マンガ家としての才能」があるから、なのですよね……