琥珀色の戯言

【読書感想】と【映画感想】のブログです。

ブログはラジオよりも怖い

先日、「現在のブログというのは深夜放送的だ」というふうに書いたのだが、考えてみれば、ラジオの深夜放送というのは、どんなにいいかげんで滅茶苦茶な構成のように見えても、ちゃんとある程度は構成作家の手が入っているものだし、読まれるハガキやメールだって、あらかじめ「選別」されたものなのだ。明らかに電波な内容のものは、放送される時点では、ほとんど排除されている。もちろん、生放送中の「放送事故」みたいなことは起こりうるわけだけれども。たとえば「あいのり」や「エンタの神様」で起こっている「とんでもない事件」だって、ある種の「検閲」を受けてから放送されているのだから、あくまでも「予定調和」の範疇ではあるのだ。

しかし、ブログやブログへのコメントには、誰も「検閲」などしない(あまり酷いものについては、後日強制削除される場合もあるのだが)。それは、エントリを書く側、コメントする側にとっては、「自由な世界」ではあるのだけれど、裏を返せば、「とんでもない電波を発信しても、誰も途中でそれをチェックして、せき止めてはくれない」ということなのだ。
それって、とても怖いことだと思うのだけれど。

自分では「良いこと言った」「勝った」と思っていても、見ている人からは「単なる電波発信機」でしかないとしたら、それはすごい悲喜劇だ。にもかかわらず、ブログでは、そうやって世界中に恥をさらしている人がけっして少なくない。
まあ、そういう人は、自分を客観的に観ることそのものができないのだから、そういう「怖さ」を知ることはないのかもしれないし、たぶん、本人なりに幸せなのだろう。

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