琥珀色の戯言

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見仏記4〜親孝行篇

見仏記4 親孝行篇 (角川文庫)

見仏記4 親孝行篇 (角川文庫)

 もう「定番」となっている、みうらじゅんさんといとうせいこうさんの仏像めぐりの旅。
 第3巻が、韓国・中国・タイ・インドをめぐるという「世界篇」だったので、もうネタが無くなってしまうのではないか(まさか、「西欧篇」はないだろうし)、と心配していたのですが、今回の「4」は、みうらさんといとうさんという2人の「見仏人」の内面への旅、という感じです。2人がそれぞれの御両親を伴っての「親見仏」という企画などは、仏像の話よりも「大人になってしまった息子と親の関係性」みたいなものをしみじみと考えさせられる話になっています。
 ところで、先日レンタルDVD店で、

↑を見つけたので借りて帰って家で観ていたのですが、確かに、話題になっている仏像を実際に画面で観られるというのは凄いな、と思いつつも、実際の仏像の画像よりも、それをマンガや文章にしたもののほうが「魅力的」だったりすることもあるような気がしました。そういうのは「本末転倒」なのでしょうけど。

あと、この本でいちばん驚いたエピソード(「即身仏」に関して)に

 また、”昔はきちんとした結跏趺坐(けっかふざ)の形をしていないと潰された”そうで、せっかく何十年修行して即身仏になっても、死の間際までまったく気が抜けなかったらしい。

というのがあって、ということは、実際に”潰された”即身仏志望の方もいらっしゃったということなんですよね。なんだかそれって、あまりにも悲しい。死んでしまう直前に、ちょっとグラッときたりしただけでもダメだなんて……
 ちなみに、結跏趺坐(けっかふざ)というのは、
http://www.sotozen-net.or.jp/zazen/sahou.htm
↑の「5」の項を御参照ください。

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