琥珀色の戯言

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修学旅行

http://d.hatena.ne.jp/fujipon/20050820#p3

鴻上尚史さんが、「SPA!」で紹介されていた、「全国高等学校演劇大会」最優秀作品『修学旅行』(青森中央高等学校)のあらすじ(以下は鴻上さんの文章)

 青森の高校生が沖縄に修学旅行に行って、戦争の傷跡をたくさん見ます。

 物語の舞台は、旅館の一室。就寝前の5人の女子生徒がメインです。

 彼女達は、「戦争って悲惨だよねー」「人って、なんで争うのかなー」と話すのですが、班としてのまとまりはありません。

「みんなで盛り上がろう!」という班長の提案で、好きな男の子の名前を紙に書くことにします。修学旅行の夜は、そうやって盛り上がるのが正しいんだっ!と、班長は言うのです。

 みんなは渋々従い、誰が書いたかバレないように左手で、クラスの中でいいと思っている男子生徒の名前を書きます。

 と、みんな、カイト君が好きだと書いてしまったのです。部屋の雰囲気は険悪になり、それじゃあ、カイト君を呼んで誰が好きなのか聞こうという話になります。やってきたカイト君は、きわめて意味深に、班長が好きだと言うのです。

 それまで、バラバラはバラバラなりに、ふとんを並べて寝ようとしていたメンバーは、それぞれ、部屋の四隅にふとんを移動させ、「ここからが私の領土!入ってきたら許さないからね!」と叫ぶのです。

「人って、なんで争うのかなー」と言っていた生徒達が、真剣に争っているのです。

平和教育」というのがあるとすれば、この作品は、見事な平和教育です。観念的に戦争を理解するのではなく、具体的に「争うこと」「憎むこと」を教えてくれるのです。それも、高校生が、見事な演技で、です。

8月15日ですし、小泉首相靖国神社参拝に関して何か書こうと思ったのですが、うまくまとまらなかったので、この話を再掲してみます。
日本は「戦争」をしていない国だとみんな思い込んでいるけれども、個人個人の心のなかでの「戦争」は、けっして止むことはありません。
ネット上でのさまざまな諍いを観ていると(あるいは、体験してみると)、あらためてそう感じることが多いのです。

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