琥珀色の戯言

【読書感想】と【映画感想】のブログです。

FINAL FANTASY ☆☆

 この映画って、作品の内容よりも「あまりに制作費がかかりすぎて、スクウェアの屋台骨を揺るがした!」という話のほうが有名なくらいなのですが、僕はまだ未見だったので、TSUTAYAの旧作100円レンタルで借りてみました。
 結論としては、「映像に莫大な金と手間をかける前に、脚本をちゃんとするべきだったのでは……」としか言いようがない作品でした。
 確かに、映像はかなり凄いというか、これ以上のクオリティの映像作品って、他にはあまり無いのではないかと思うのです。『ファイナルファンタジー7 アドベントチルドレン』とかを観ると、それでも時代は進化し続けているのでしょうけど。でも、リアルな映像が良いアニメーションかというとそういうわけでもなくて、むしろ、これなら実写で撮ってもあんまり変わりないんじゃない?という印象のほうが強いんですよね、この作品の場合。
 シナリオも「地球のガイアが…」って、「ガイアの夜明け」かよ!というのはさておき、「ガイア理論」を大上段で語られても、「ヒッピーかこいつらは?」というような気分にしかなれません。ゼウス砲にこだわっている将軍のほうが、はるかにまともな人間っぽいです。こんな古くて説教くさくてつまらないシナリオを映像化するために多額のお金を投資して、こんな映画を作ってしまったのですから、当時のスクウェアの坂口さんは、周囲からみれば、まさに「裸の王様」みたいな感じだったんでしょうね。
 そういう意味では「壮大に勘違いしちゃった人が遺した巨大なモニュメント」だと思えば、それなりに価値があるもののような気もしなくはないです。
 ちなみに、Wikipediahttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%83%AB%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%82%B8%E3%83%BC_(%E6%98%A0%E7%94%BB))によると、

 公開は数日で打ち切られ、スクウェアは130億円の特損を計上、映画事業からの撤退、更には財政面での窮地を脱する為にエニックスと合併、といった事態が起きた。制作費1億3700万ドルに対して全米での興行収入は3200万ドルであり、映画興行としては完全な失敗だった。この記録的大不振はギネスブックにも載ってしまう程であった。

 ということです。これぞまさに”ファイナル”ファンタジー!

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