琥珀色の戯言

【読書感想】と【映画感想】のブログです。

2006年を振り返って(2)〜書籍編

僕が2006年に読んだ本のベスト5を挙げておきます。あくまでも「今年初読の本」で、発行は2006年とは限りません。

<第5位>

書店繁盛記

書店繁盛記

感想:http://d.hatena.ne.jp/fujipon/20061027#p2

内容も興味深いのですが、本屋さんに行ったときに店員さんと書棚を見る目が変わる本です。


<第4位>

アディダスVSプーマ もうひとつの代理戦争

アディダスVSプーマ もうひとつの代理戦争

感想:http://d.hatena.ne.jp/fujipon/20060820#p1

今年読んだノンフィクションのなかでも、珠玉の1冊。
2つの大企業の物語だけではなく、「スポーツビジネス」というものの成り立ちを教えてくれる本です。


<第3位>

容疑者Xの献身

容疑者Xの献身

感想:http://d.hatena.ne.jp/fujipon/20060122#p1

あまりミステリも東野圭吾さんの本も読んでいない僕なのですが、この本は久々に外が明るくなるまで夢中になって読んだ「物語」でした。「本格」かどうかなんていう論争もあったそうですけど、そんなのどっちでもいいです。とにかく面白い小説でした。


<第2位>

ねじまき鳥クロニクル〈第1部〉泥棒かささぎ編 (新潮文庫)

ねじまき鳥クロニクル〈第1部〉泥棒かささぎ編 (新潮文庫)

これはまだ感想書いていなかったんですよね。
実は昔単行本が出たときに読もうとして1巻の半分くらいでついていけずに挫折していたのですが、今回は本当に夢中になって読めました。たぶん、10年前より僕の「読書力」も上がっていたのでしょうし、医者になりたての頃よりも、この物語を受け入れられるくらいの心の余裕ができたのではないかと自分では思っています。
僕は最近になって、村上春樹さんの小説というのは、ストーリーそのものよりも、むしろ「小説としてのシステム」が重視されているように感じるようになりました。うまく言葉にはしにくいのですが、
http://d.hatena.ne.jp/kowagari/20061220/1166626687
↑で、id:kowagariさんが書かれているような「『ゼルダの伝説』のゲームとしての面白さ」が、村上春樹の小説の面白さに通じるような気がするのです。つまり、村上作品というのは、「どう書かれているか」を堪能するべきもので、「ストーリー」というのは、あくまでも「従属するもの」なのではないか、と。だからこそ、海外でも受け入れられやすいのではないかと思うのです。アメリカでの『ゼルダ』の人気に比べて『ドラゴンクエスト』『ファイナルファンタジー』の人気がいまひとつなのと、アメリカをはじめとする世界各国で村上作品が読まれているのとには、ある種の共通性があるように感じます。
それで、この『ねじまき鳥クロニクル』は、その完成されたシステムに良質のストーリーが組み合わされた、現時点の村上春樹作品のなかでの最高傑作だと僕は思うのです。その後の『海辺のカフカ』は、ストーリーがいまひとつで、『アフターダーク』は、新しいシステムがうまく機能していないように感じるので。

<第1位>

アラビアの夜の種族〈1〉 (角川文庫)

アラビアの夜の種族〈1〉 (角川文庫)

感想:http://d.hatena.ne.jp/fujipon/20060925#p1

今年はこれがナンバーワン!RPG、ファンタジー、そして本が好きな人々にぜひ読んでいただきたいです。
ちょっと脱線してしまうのですが、昨日本屋で『わたしを離さないで』が積んであるのを観ていたら、オビに古川日出男さんが推薦しているバージョンと角田光代さんが推薦しているバージョンの2つがあるのを観て驚きました。なんて豪華な組み合わせなんだろう!


毎年のことながら、大晦日になってまだ(2)なのですが、あと(3)WEB編を書いて終わりの予定です。でも、(3)は来年にずれこんでしまう可能性大。

それでは皆様、よいお年を! 僕はこれから大晦日〜元旦の日当直です……

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