琥珀色の戯言

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ものわかりが良すぎる「はてなユーザー」たち


「ここ一年二年、はてなに対して思ったこと」でテラヤマアニさんが書かれているエントリを読みながら、僕は自分が以前書いた「『インターネット人類補完計画』の果てに」というエントリを思い出していました。

思想をコード化してくれよと。

id:kowagariさんが叫びたいことは、たぶんこの一行なのだと僕は思います。

いまの「はてな」には技術やアイディアやお金があっても、「思想」というか「理想像」が失われてしまっているのではないか、というようなことを僕は考えています。
「えっ?『企業』なんだから、理想も糞もあるかよ。まずはいかにして金を儲けるかだろ?」
というようなことを(少なくとも表向きは)言わないのが、「はてな」の誇りだったんですよね。広告を入れることに関しても、最初のころは激しい議論があったくらいで。
いや、「はてな」そのものには、今でもアクセスランキングで賞金を出したり、有名人ブログを前面に出したりしないという潔さがあるとは僕も思うのです。そして、他の多くのブログに比べれば、作っている人たちの顔は見えています。
でも、少なくとも今の「はてな」の方向性って、「とりあえず人気が出そうな企画に乗ってみよう」というような行き当たりばったりというか、刹那的なものが目立ちます。もちろん、それは使う側の問題も大きいのかもしれませんが。
はてなブックマーク」をはじめて見たとき、僕は「これで埋もれてしまいがちな無名ブロガーの記事を掘り起こすことができるのではないか?」という期待を持っていたのですけど、最近のブックマークは、
http://b.hatena.ne.jp/entry/http://d.hatena.ne.jp/kowagari/20070306/1173199608
↑のように、「常識人」たちによる、他者叩きのツールと化してきている印象があるのです。
「世の中なんてそんなもんだよ」って、そんなにものわかりがよくていいのかね諸君は。みんなそんなに「常識」の恩恵を受けてるの?
まあ、みんな現状に満足しているだけじゃなくて、人気ブロガーに「優越感ゲーム」を仕掛けているだけなのかもしれないけどね。
同じことが無名ブログで書かれていたら、こんなにブックマークしないだろうに。

しかし「はてな」って素晴らしいよね。
はてな批判」を書いても、「はてな元老院」の方々が「『はてな』にそんなに期待してたお前のほうがバカなんだよ!」と擁護してくれるんだから。少なくともお金を払って「はてな」のサービスを利用している人が「期待」をするのは自由だと思います。もちろん、サービスが自分の望むものと異なるからといって、恫喝したり訴訟を起こしたりというのは筋違いですが。

僕は、できることなら「はてな」に驚かされたい。
でも、率直に言うと、最近の「はてな」はけっこうウザイですよね。なんかこう、揚げ足取りたいハイエナたちが、獲物を通りかかるのをずっと待っているジャングルみたいで。はてなに「思想」が無くなってしまったように見えるのは、ユーザーがそれを求めていないから、なのかもしれません。ユーザーたちが好きなのは「思想」じゃなくて、同じところをぐるぐる回る「はてな論」とか「ブックマークをめぐるバトル」なのだから、そんな中で「思想性」を貫いて商売するのは難しいですよね実際。

参考:だから「はてな」は嫌われる

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