- 作者: 小学館ドラえもんルーム
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2006/09/01
- メディア: 単行本
- 購入: 18人 クリック: 260回
- この商品を含むブログ (67件) を見る
この年になって「ドラえもん」なんて……という時期は、僕にも20歳くらいから10年間くらいあったのですけど、最近あらためて、「僕はドラえもんが好きなのだなあ」と思い知らされています。吉本ばななさんの『デッドエンドの思い出』(僕はばななさんの近著のなかでは、この本がいちばん好きです)、とか、この『ドラことば』にも寄稿されている辻村深月さんの『凍りのくじら』とか、「子どもの頃に『ドラえもん』を観て、読んで育ってきた人たち」が、『ドラえもん』をモチーフに新しい物語を創造していっているのを見ると、なんだかすごく嬉しくなってしまうんですよね。ああ、でも今の子どもたちにとっては、『ドラえもん』も僕が子どもの頃に観た『サザエさん』みたいな、レトロ趣味の物語になってしまっているのかなあ。
しかし、この本を読んでいて思ったのですけど、子どもの頃に読んだ本って、けっこうずっと心に残っているものですね。僕は、毎年六月がやってくると、
ぼくのいちばんきらいな六月!
一年をつうじてもっともふゆかいな六月!
という、のび太が「祝日もなく、夏休み、冬休み、春休みにも関係ない六月」を嘆く言葉(このあと、祝日をつくる「ひみつ道具」が登場します)がなぜか心にずっと刻まれていて、毎年六月になると、「一年でもっともふゆかいな六月!」って心のなかで呟いてしまうんですよね。この話って、そんなに「歴史的名作」ってわけでもなくて、話そのものはほとんど記憶にないのだけれど、この「六月は悲しい月」っていうイメージだけは、ずっと僕も抜けないのです。春休みや夏休みが無くなってしまった今でも。
この本では、ほんの1コマや2コマしか引用されていないのですけど、それでも、「ああ、こんな話あったよなあ」と、すごく鮮明に思い出せるんですよね。本当に、僕は『ドラえもん』と一緒に生きてきたんだなあ。
それにしても、「さようなら、ドラえもん」は、何コマか見ただけでもいまだに泣けてしまいますね……
とりあえず、僕にとってはものすごく大事な本です。
- 作者: よしもとばなな
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2006/07
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 28回
- この商品を含むブログ (203件) を見る
- 作者: 辻村深月
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/11/08
- メディア: 新書
- クリック: 52回
- この商品を含むブログ (168件) を見る