琥珀色の戯言

【読書感想】と【映画感想】のブログです。

ラストラブ ☆☆

【ストーリー】
ニューヨークのジャズシーンを賑わしたサックスプレイヤー、阿川明は、妻の死をきっかけにこれまでの華やかな生活を捨てて帰国し、一人娘、佐和とひっそり暮らしていた。 ある日、ふとしたことで若い女性、上原結と出逢う。二人はニューヨークで再会。二人の気持ちが信頼から愛情へと向かうと同時に、再びジャズへの情熱を蘇らせる明。 しかし、思いがけない出来事が、二人にある決断を迫る。

あの「ケータイ小説の第一人者」Yoshiさん原作ということで、僕としてはかなり黒い期待をしていたのですが、まさに、その期待に応えてくれる作品でした。田村正和さんは、14年振りに映画に出演されたそうなのですが、正直、「14年ぶりなのにこの作品とは……田村さん仕事選びましょうよ……」と言わずにはいられません。
この映画のすごいところというのは、劇中で起こるイベントがすべて唐突で、なぜそうなったのか描かれておらず、全く説得力がない、ということなんですよね。阿川さん、海外旅行の添乗員って、夜は飲んだくれていられる、そんなにいいかげんな仕事じゃないでしょうに、とか、いままでどうしても行けなかった亡き妻の思い出の場所に、別の女を連れていきなり登場?とか、いくらなんでも、そのタイミングで病気になるのは都合よすぎ(悪すぎ?)だろ!とか、とにかく突っ込みどころ満載。阿川との出会いくらいでそんなに簡単に変われるのなら、結はもっとお気軽に人生を送れていたはずです。なんてやっすいトラウマ!
田村正和伊東美咲で不器用な男女の年の差ラブストーリーを、という気持ちはわからなくはないのだけど、とにかくすべてが「簡単すぎる」のですよこの映画。まあ、「ケータイ小説」をそのまま映像化したらこうなるんだろうな、というのはよくわかりますし、いろいろツッコミながら観るには良い映画だとは思うんですけどね。
見どころがあるとすれば、田村正和が相変わらず田村正和であるところと、ニューヨークの風景はとりあえずカッコいい、ということくらいでしょうか……

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