琥珀色の戯言

【読書感想】【映画感想】のブログです。2016年8月より、『はてなブログ』に移行しました。

環境保護運動はどこが間違っているのか? ☆☆☆


環境保護運動はどこが間違っているのか? (宝島社新書)

環境保護運動はどこが間違っているのか? (宝島社新書)

ウソを信じていては、あなたの善意がムダになる
  誰もが「地球にやさしい」と信じてきたリサイクル、
  そして地球温暖化問題などに、いかに多くのウソがあるかを
  エントロピーの世界的オーソリティが明らかにした、
  環境問題に関心をもつ人にとって必読の名著!!

あなたは間違って信じている!

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●牛乳パックはリサイクルすべき
 正解は→牛乳パックは焼却場で燃やそう
●リサイクルは地球にやさしい
 正解は→リサイクルも環境を汚染する
●分別収集でゴミ問題は解決する
 正解は→分別収集運動でゴミの捨て場が枯渇する
炭酸ガスで地球は温暖化する
 正解は→「炭酸ガス地球温暖化」説にはインチキがある
●科学技術でエネルギー問題は解決できる
 正解は→どんな科学技術でもエネルギー問題は解決できない

……ほか

 僕はこの手の「環境問題」について扱った本や、「環境問題の嘘を暴く」本というのはお互いに水掛け論でしかないような気がして敬遠していたのですが、小さな書店に入ったときに他に読みたい本がみつからなかったために、これをレジに持っていったのです。
 この本、「環境問題の嘘」を扱ったものとしては、かなり「古典的名著」だそうなのです。多少増補されてはいるものの、原型は1992年に出版されたものなんですよね(知らずに買いました)。おそらく「本質」は変わっていないのでしょうが、正直なところ、「現在、2008年も同じなのかな……」と感じるところも多かったです。そして、質問に対して、いちいち「いいえ、それは違います」という否定から本題に入っていくという書き方をされているので、読んでいてちょっと感じ悪かったんですよね。
 環境保護運動の「問題点」に関しては、なるほどなあ、と感じた記述が多かったのですが、その解決法に関しては、歯切れが悪いというか、「排泄物やゴミを山にばら撒け」とか、「毒物を排出することに対して税金をかけるようにせよ」とか、どうもあんまりリアリティが無い。まあ、「確実で決定的な解決法なんて、『人類絶滅』くらいしかない」からこそ、みんなこうして長年「正しいかどうかわからないけれど、とりあえず効果がありそうな方法」を試行錯誤しながらやっているんでしょうけど。
 しかし、ある意味人類って言うのは往生際が悪いですよね。この地球上の生き物のなかで、自分たちの力で地球環境を変えて(あるいは変えないで)生き延びようとしているのは、人間だけなわけだから。
 多くの動物は、「目の前に餌があって、満腹でなければ食べる」し、「餌がなければ飢え死にする」のが自然であり、「環境や自分たちの種を守るために、目の前の餌を我慢する」なんてことはないですよね。

 この本に書かれていることが正しいかどうか判断するには、僕のこのジャンルへの知識はあまりにも乏しすぎるので、この本に関しては「こういう考え方をしている人もいるんだな」というくらいの感想です。この本、「環境問題への提言」よりも、「バカをバカにすること」への熱心さのほうが印象的ですし。

――でも、原発炭酸ガスを出さないというのはほんとうなんじゃないですか。

槌田:いや、だいたい、原発炭酸ガスを出さないという前提からおかしいんです。たしかに発電所の中では石油をあまり燃やしていないから炭酸ガスは出ないけれども、発電所を建設したり、ウランを掘ったり、そのウランを燃料に加工したりする時に石油をいっぱい使っているわけです。その分を考えると、原子力発電所は火力発電所とだいたい同じ分量の石油を燃やしているわけで、大きな声で、「原子力発電所炭酸ガスを出しません」ということはできないんです。炭酸ガスを出さない原子力発電だなんていう言い方は、はじめから人を騙しているんです。

 この件を読んで、原発のCMで、

 原子力発電所は、発電時に炭酸ガスを排出しません。

 と言っている理由がわかって、なるほどなあ、と思ったりもしたんですけどね。たしかに「発電時に」はね……広告ってずるい。

「環境問題」に興味はあるけど、あんまり難しい本は読みたくない、という人の入門編としては良いのではないでしょうか。
でも、この本だけでは物足りないというか、「これはこれでひとつの『偏向』なのでは?」とも感じますので、本格的に知りたい人は、この本の内容を鵜呑みにするのではなく、もっと多種多様な書籍や情報を参考にすべきだと思います。

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