琥珀色の戯言

【読書感想】と【映画感想】のブログです。

「ブックマークは悪くない」

ネットの分身その二(jkondoの日記(2008/1/31))

 一昨日のエントリのようにたくさんのブックマークがつくと、以前は、どう振舞っていいのかと考え込んでしまったいたような気がする。
 コメントに対しても、逐一懸命に反論したり(今でもガマンできないときはやってますけどね、時々だけど)、いわゆる「ネガティブブックマーク」に対しても、いちいち憤っていたりもしていた。
 でも、最近はすっかり枯れちゃったんだよなあ。
 もう、コメント欄は「アダルトサイトや商用サイトなどの明らかな宣伝や誹謗中傷、本文に関係ないような利益誘導コメント」でなければ、別に何を書いてくれたって構わないと思っている。いや、本音としては、「何を書かれたって、いちいち気にしていてもしょうがないな」という感じ。
 つまらないコメントや独善的な「反対のための反対」しか書けない人は、自分で自分を「公開処刑」しているようなものなので、いちいち止めを刺す必要はないし、そいつがどんなにどんな嫌な人間でも、明らかに不利な状況にいる人間をさらに責め立てるような行動をすれば、多くの人はその責め立てている側に対しても心地よくは思わない。
 「ネガティブブックマークコメント」を見つけたら、その人の他のブックマークを見に行く。
 たいがい、そこには「これはひどい」「納得できない」というタグとともに、そいつの知ったかぶりな上から目線の文句が並んでいる。自分の嫌いなものでしか自分を語れない人間は、とても哀れだ。ときどき、「ちゃんと良いものは褒めるし、悪いものはけなす」という人にネガティブコメントを書かれているのを発見すると、ちょっと凹む。

でもこれは、表現者という道を選んだ人の話であって、これをブログに当てはめたときに、ほとんどの人は表現者になろうなんて思ってない、日記程度の気持ちで軽く書いているだけなのに表現云々と言われても困る、という現実がある。

 この気持ち、すごく僕にはわかる。コメント欄もブックマークも無かったら、すごく気楽になるだろうな、と思うこともけっこうあるし、プライベートモードにしてみたこともある。
 しかしながら、クローズな空間というのは、実はけっこう息苦しい。「mixi疲れ」なんて言葉も、ちょっと前に流行ったじゃないか。
 僕は毎日けっこうたくさんのブログを見ているのだけれど、そのなかには、毎日のように書き込んでくる「常連さん」と毎日やりとりをしているブログもいくつかあるのだ。
 「常連さんはありがたい」というのが、多くのブロガーの「公式コメント」だろうと思うけど、実際は、毎日自分の日課をチェックしてあれこれ言ってくる赤の他人とにこやかに接しつづけるというのは、かなりの苦行なのではないかな、と僕は考えてしまう。
 「どうでもいい連中」だからこそ、軽蔑できるし、罵倒もできる。もちろん、すごくありがたいな、と思うこともできるという面ある。

 「1エントリ単位でどこかに行ってしまうネガコメ軍団」なんていうのは、もちろん不快だけど、所詮、「その場だけの存在」でしかない。考えようによっては、そういうネガコメ軍のおかげでホットエントリに入れば、「善意の沈黙のオーディエンス」の呼び水にだってなるわけだし、コメントにもブックマークにも反応しない、悪口が書いてありそうなのは読まない、ということが徹底できれば、「どうでもいい」はずだ。
 まあ、そう言いながらも、ついつい気になっちゃうんだけどね。
 
 実際、いろんなエントリを書いてきて感じるのは、「どんなに頑張って『そこで完結してしまう良いエントリ』を書いたとしても、『読んだ人が何かを言いたくなる未完成なエントリ』のほうが、はるかに人を集めることがある」ということで、本当にそこに書かれているものが「日記」であれば、「ネガコメ」なんてつけようがない気もする。
 はてなブックマーカーの多くは、「何かを読みたい」という人ではなくて、「何かを言いたい」人なのだろうし。

 僕がもし「はてなブックマーク」を「健全化」するとしたら、ブックマークにコメントをつける機能を廃止すると思う。
 そうすると「特徴」はなくなるかもしれないが、実はそれで「困る」ユーザーって、そんなにいないのではないかと考えている。大部分のブックマーカーは、自分の備忘録として淡々としおりを挟んでいくだけだ。
 ただ、ブックマークされる側としては、個々のコメントはどうでもいいのだけれど、ざっとまとめて読んでみると、総体として「自分が書いたエントリは、どのくらいの割合の人に好感・嫌悪感を与えているのか?」という傾向をつかめる面はある。他の人が書いたエントリでも、「この内容なのに、こんなに叩く人がいるのか……」と驚くことも多い。

 なんだかダラダラと書き連ねてしまったけれど、「ブックマーク」されるって、そんなに悪いことばかりじゃない。
 何言ってやがんだ、というようなコメントも含めて、自分が15年くらい前に愛用していたマイコンX68000の話に、これだけ「乗ってくれる」人がたくさんいるというのは、僕が書いたことへの賛否にかかわらず、本当に嬉しいものだった。
 たぶん、「ブックマーク」してくれる人がいなかったら、こんなにたくさんの「昔の同志」の存在を実感することはなかっただろうし、こんな気持ちは味わえなかったと思う。

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