琥珀色の戯言

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『L change the WorLd』感想 ☆☆


『L change the WorLd』公式サイト

キラ事件解決の代償として唯一無二のパートナー、ワタリを失い、自らもデスノートによる究極の選択をしたLの下に、突如消滅したタイの村でただ1人生き残った幼い少年がワタリへのメッセージを携えて送られてくる。そしてもう1人、亡き父親からあるものを託された少女・真希が追っ手から逃れるように飛び込んでくる。新たな《死神》の出現を察知したLは2人の子どもを守りながら人生最後の難事件に挑むのだった。

2006年のメガヒット作『デスノート』『デスノート the Last name』で大ブレイクした松山ケンイチ扮する名探偵Lを主人公にしたスピンオフ作品である。彼の最期の23日間を追った、このもう一つの物語は、前2作の世界観を踏襲しつつ、『リング』の中田秀夫監督らしいホラー色やハリウッド仕込みのアクション・シーンなど新たな見せ場を盛り込み、最後にして最大の難題に直面するLの姿を描く。当たり役をさらに進化させた松山は、子連れで駆けずり回り、人間離れした頭脳の持ち主の極めて人間的な一面を見せてくれる。再び大物起用の主題歌はレニー・クラヴィッツの「アイル・ビー・ウェイティング」。

 こ、これは惨い……………
 早くも今年の「きいちご賞」の有力候補に躍り出てしまったのでは……
 僕は『L』大好きなんですけど、大好きだからこそ、この「スピンオフ作品」は、本当に「残念」だとしか言いようがありません。姿形とお菓子ばっかり食べているところは「L」なのかもしれないけど、この映画って、Lの「らしいところ」が何一つありません。
 Lだったら、あんな暗号即座に解読できるはずでしょうし、そもそもあんな無防備な場所に本拠地があったら、もう100回くらい殺されてるだろう、と。敵の動機は意味不明(っていうか、敵のトップふたりに関しては、それぞれ「金」と「歪んだ正義感」であることはわかるんですが、あとの下っ端の連中は、どう考えても、何のためにあんな残虐なことをやっているのか全然わかんない)ですし。
 Lみたいな「リアリティのない存在」が主人公の映画だからこそ、設定やストーリーには、もうちょっとリアリティが欲しかった……
 そして、この映画のクライマックスで、Lが「安っぽい似非ヒューマニスト」に成り下がっていたのには、すごくがっかりしたというか、呆れましたよ僕は。いや、Lってそんなヤツじゃないはず。もっと非情というか、「捜査はゲーム」「情より作業効率」なところがLの圧倒的な魅力なのになあ……というか、あいつらあそこで助かってもどうせ●●だろ……
 「事件解決のためなら、人の命も駒として使ってしまう無邪気さと冷酷さ」がないLなんて、オーラが出てないよ。

 そもそも、計画が壮大なわりには仲間も少なく行き当たりばったりなテロリストたちのつまらなさにはガッカリだし、なぜかあっさり対処法が完成してしまうのも「ええっ?」って感じでした。化学の世界って、そんな甘いもんじゃないはずです。

 正直「Lが出ている」ということ以外には、ほとんど観るべきところがない映画です。共演者も「予算よっぽど少なかったのでは?」と思うような中途半端なメンバー。南原さんが出演しているのですが、役そのものに意味がなく、その役を南原さんがやっていることでさらに浮きまくっています。
 福田麻由子さんを観るたびに「ピークは『白夜行』の第一回だったのかなあ……」という気がしてきますし、高嶋政伸も、あんな顔して出てきたら、あの顔が何かの「伏線」だと思いますよね普通。

 つーか、あんなアホな連中が、Lの最後の相手だったなんて、ちょっと悲しすぎないか?

 たぶん、この映画って、昔スペシャルで観たことがある、『必殺仕事人・現代版』みたいなもので、「LらしくないL」を観たい人にはいいのかもしれません。
 でもね、僕たちは、普通にLが活躍している話をまだそんなに知らないのに、いきなりこんな「意外な一面」を見せられても困っちゃうんですよ。もうちょっと、まずは飽きるくらい「名探偵・L」が本領発揮している姿を観たあとで、この作品ならわかるんだけど……

 いやほんと、松山ケンイチはがんばってます。だから途中で席を立たずにすみました。
 でもさあ、僕は部屋に引き篭もって、お菓子ばっかり食べて「高みの見物」で難事件を解決する「L」が観たかったんですよ。
 安っぽいヒューマニズムに飽き飽きした人たちが支持したのが「L」なのに、ファンが望まない方向に「原点回帰」してどうするんだ……

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