琥珀色の戯言

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パワプロ“生みの親”長江勝也さん逝去


「パワプロ」生みの親 長江勝也さん死去(asahi.com)

 大阪電気通信大の長江勝也教授、ゲーム学専攻)が5日、脳出血のため死去した。47歳。
 83年にコナミ工業(現コナミ)に入社し、約1500万本を出荷した人気ゲームソフト「実況パワフルプロ野球」シリーズなどの製作責任者を務めた“生みの親”。03年から同大教授となっていた。

 「野球ゲーム」というのが生まれてから、ずっと遊んできた僕としては、野球ゲームには5つの大きな転換期があったと考えています。
 ひとつめは『野球盤』。ふたつめはカセットビジョンの『ベースボール』、三つめは、ファミコンの『ベースボール』、四つめは『プロ野球 ファミリースタジアム』、そして、五つめが『実況パワフルプロ野球』。
 実は、スーパーファミコンで初代の『パワプロ』が出る前に、ほとんど同じシステム(ただし、グラフィックが詳細だった分だけ、ボールや選手の動きにダイナミックさが乏しく、実況もなかった)の『生中継68』という実験作がKONAMIから発売されていたのですが、スーパーファミコンで出た『実況パワフルプロ野球』は、まさに、「野球ゲームの決定版」でした。
 僕が思うに、『パワプロ』のいちばん優れた点は、実況や育成モードではなくて、それまでの野球ゲームでは「消える魔球」のような扱いしかなされていなかった、フォークボールのような「落ちる球」にリアリティを持たせた点なのではないかと。
 実は、同じような試みは、『ビクトリアスナイン』や『燃えろ!プロ野球』でもなされていたのですが、『パワプロ』は、その完成度が圧倒的に高いゲームでした。キャラはディフォルメされていたのですが、とくに投手と打者の駆け引きにおいては、『パワプロ』ほど「野球らしい」ゲームはなかったのです。あと、リアル志向をあえて控えて、とにかくテンポ良く遊べるようにもなっていましたしね。
 長江さんは、きっと「野球」のことも「ゲーム」のことも、知り尽くしていて、しかもバランス感覚が優れた方だったのでしょう。
 野球ゲームというのは、『パワプロ』以来、ゲームシステムとしてはずっと停滞期なのだよなあ。
 ちなみに、MSX版『グラディウス』も長江さんの作品だそうです。 

 長江さんの御冥福を謹んでお祈りします。

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