琥珀色の戯言

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伊坂幸太郎さん、直木賞選考を辞退


伊坂幸太郎さん:ゴールデンスランバー、直木賞選考を辞退(毎日jp)

 今回の直木賞候補作が発表されたときには、『ゴールデンスランバー』は、もう本屋大賞を(山本周五郎賞も)獲ってしまったので「選考外」になったのだろうな、と思ったのですが、伊坂さんのほうから、予備選考の段階で「辞退」されたのだそうです。
 もし今回候補になっていたら、他の作家の顔ぶれからすれば、「そろそろ伊坂さんに……」ということになっていた可能性は高そうな気もします。

同賞の候補作は2日発表された。主催する日本文学振興会によると、候補作を決める予備選考は6月に行われるが、その前に辞退の意向が伊坂さんから文芸春秋の担当編集者を通して伝えられた。同振興会が確認したところ、「作品が論議されることはうれしいが、執筆に専念したいので、今回は予備選考の時点から対象となることを辞退したい」との考えを示したという。伊坂さんは過去5回、同賞候補になっている。

 伊坂さんは新潮社の担当編集者を通じ、「直木賞は他の賞に比べ影響が大きく、候補になるとおだやかな気持ちで執筆できなくなる」と説明している。

御本人のコメントもなんだかちょっと「複雑」な感じで、今回だけなのか、それとも、これからずっと「辞退」していくということなのかは微妙ですが(実際は、一度「辞退」すると次回からは選考対象にならない、という話もあるようですけど)、結果的に、直木賞の「影響力」みたいなのを思い知らされる話になっているようにも思えます。
「有力候補」と言われながら、5回も落選して、毎回「人間が描けてない」とか「老害」な人たちに言われ続けるのは辛いのだろうけど……

個人的には、『ゴールデンスランバー』は、あまりにも「伊坂幸太郎的な『政治色』」が強すぎて、僕はあまり好きな作品じゃないんですけど。本当は『死神の精度』か、『チルドレン』のときに授賞されているべきだったのではないかと。
もしかしたら、もっと早く直木賞を受賞していたら、伊坂さんの作風は少し違ったものになっていたかもしれません。

ゴールデンスランバー

ゴールデンスランバー

↑『ゴールデンスランバー』への僕の感想はこちら。

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