琥珀色の戯言

【読書感想】と【映画感想】のブログです。

ミスト ☆☆☆☆


ミスト [DVD]

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あらすじ: ガラス窓を破るほどの嵐の翌日、スーパーへ買い出しに出掛けたデヴィッド(トーマス・ジェーン)。軍人やパトカーが慌ただしく街を往来し、あっという間に店の外は濃い霧に覆われた。設備点検のために外に出た店員のジム(ウィリアム・サドラー)が不気味な物体に襲われると、店内の人々は次第に理性を失いはじめ……。(シネマトゥデイ

観終えてy嫁が一言。
「うわー感じ悪いっ!」
僕も同感。

スティーブン・キング原作×フランク・ダラボン監督といえば、名作『ショーシャンクの空に』、そして『グリーンマイル』のコンビであり、こ『ミスト』も「感動系」の作品なのではないかと原作未読の僕が予想していたのですが、ものの見事に裏切られてしまいました。
この映画、いわゆる「観客を怖がらせるだけのホラー作品」ではないし、「スリルとサスペンスを味わうためのパニック映画」とも一味違うんですよね。ある種の「人間ドラマ」ではあるけれども、この作品から人生において役に立つことを学ぶのは僕には困難でした。
いや、ひとつ学んだことがあるとすれば、「結局、人間なんてちっぽけなもので、悪あがきしてもどうしようもないんだよ」ということでしょうか。
あるいは、「悪あがきするのであれば、徹底的に」。

この映画を観てみると、「またいつものハッピーエンドかよ!」とハリウッド映画上映後のスクリーンに悪態をつく自分がみっともなく思えてきます。
「結局、ああいうパターンが完成してしまったのは、それを僕を含む大部分の観客が望んでいるから、なのではないか?」
ほんと、すごく怖い!とか、驚愕の映像!とか、感動の物語!とかじゃないんですけど、こういう作品をお金をかけて商業映画として公開した勇気には脱帽します。
ほんと、観終えて、「ああ、これが『映画』の中の世界でよかったなあ……」と安堵の溜息を洩らさずにはいられない作品です。
正直、「何かの嫌がらせなのかこの映画は!」とか思いましたよまったく……

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