平成20年度下半期の芥川賞・直木賞の候補作が発表されました。選考会は1月15日。
◇第140回芥川・直木賞候補作◇
(年齢 候補作 候補回数)◇<芥川賞>
鹿島田真希32 女の庭(文芸秋号)2
墨谷渉36 潰玉(かいぎょく)(文学界12月号)初
田中慎弥36 神様のいない日本シリーズ(文学界10月号)3
津村記久子30 ポトスライムの舟(群像11月号)3
山崎ナオコーラ30 手(文学界12月号)3
吉原清隆38 不正な処理(すばる12月号)初◇<直木賞>
恩田陸44 きのうの世界(講談社)3
北重人61 汐のなごり(徳間書店)初
天童荒太48 悼む人(文芸春秋)3
葉室麟57 いのちなりけり(文芸春秋)初
道尾秀介33 カラスの親指(講談社)初
山本兼一52 利休にたずねよ(PHP研究所)3(年齢は1月15日現在、「毎日jp」より)
芥川賞候補は全員30代。
過去に候補歴があり、そこそこ(文学賞ウォッチャーには)名前が売れており「そろそろ芥川賞に手が届きそう」な鹿島田さん、田中さん、津村さん、山崎さんと、初候補の墨谷さん、吉原さん。
候補作はひとつも読んでいないので内容は評価できないのですが、イメージ的にはそろそろ山崎さんあたりかな。前回は村上龍さんの評価も高かったし。
ただ、某都知事はこの人の作品を絶対に推さないだろうな、とは思われます。でもなあ、青山七恵さんを絶賛してたりもしたからなあ……
山崎さんが『人のセックスを笑うな』で候補になったときは、「タイトル勝負の一発屋」だと思ってたんですけどね、申し訳ない。
直木賞は、「この人誰?」という人と「この人まだ獲っていなかったのか……」という人と。
恩田さんは、もっと何度も候補になっているような印象があったのですが、まだ3回目なんですね。
今度候補になるときは受賞するときだろうな、と思っていたので、今回は最有力なのでは。でもなあ、恩田さんの作品って、某選考委員からは、「人間が描けてない」とか言われそう。
ミステリ界の赤丸急上昇、道尾さんが初候補に。『カラスの親指』はミステリとしても「やられた!」と思わされる快作ですし、いわゆる「人情話」的な面もあって、いかにも直木賞の選考委員に好まれそう。そんなに難しくないし。でも講談社だし、ミステリだし、「次回作をみてみたい」とか言われそうな予感。
有名+文芸春秋ということで、最有力は天童さんかなあ。この人、一時は宗教指導者みたいになっていたという噂を耳にしたのですが……
あと、今回ちょっと驚いたのが山本兼一さんの候補入り。「PHP研究所」の本って、直木賞の選考対象になるんですねえ。