琥珀色の戯言

【読書感想】と【映画感想】のブログです。

「SMAPの草なぎ剛が公然わいせつの容疑で逮捕」への雑感


SMAP草なぎ剛が公然わいせつの容疑で逮捕」というニュースを耳にしたときは、一瞬、「米倉涼子が行方不明に!」のような、ドラマや映画のプロモーションなのかと思った。
 その「公然わいせつ」の内容が、「公園で酒に酔って騒ぎ、全裸になって騒いでいた」ということだったのには、正直微笑ましい気分にすらなったのだが。
 「女性を襲った」とかだったら言語道断だが、酔って公園で暴れたくらいで、ここまで大騒ぎしなくてもよさそうなものなのに。もちろん近隣住民は迷惑だったのだろうけど、こういう行為の常連だったというのでなければ、逮捕はいきすぎ。
 僕の大学時代の部活にも「酔っ払うと脱ぎたがる人」はいたけれども(たぶん、どの集団にも一定数はいるはずだ)、セクハラするヤツや絡んでくるやつ、暴力をふるうやつに比べたら、迷惑度は低かったような気がする。「他人にも脱ぐことを強要するやつ」は困ったものだし、こう感じるのは僕が男で、自分でも酒を飲むからなのかもしれないけれど。
「学生ならともかく、34にもなってしょうもないなあ」とは思うけどさ。
 全裸で公園にいても寝ているだけだったら、一晩くらい警察に泊まることにはなっても、逮捕はされなかったはず。尿から薬物反応も出ていないのに家宅捜索までされていたので、よっぽど酷い(あるいは異常な)酔っ払いっぷりだったのだろうか。
 飲酒運転への量刑や酒席でのセクハラの横行など、基本的に日本は「酔っ払いの行動には甘い国」で、僕はそういう風潮が好きではないが、今回の件については、ちょっとメディアがナーバスになりすぎているというか、メディアの「総ワイドショー化」を思い知らされたような気分。
 率直に言うと、この事件で僕は「ああ、SMAPだって、ストレスたまってるんだなあ、泥酔して公園で大騒ぎしちゃうような夜もあるんだなあ」と、草なぎ剛という人間にすごく親近感を抱いてしまった。近所の人たちは大変だったと思うけど、総務大臣に「最低の人間だ」なんて罵倒されるほどの「悪事」じゃないだろう。SMAPだったらさ、チヤホヤしてくれる人はたくさんいるだろうし、「その場限りの遊び」でストレスを解消することだって、そんなに難しいことじゃないはず。
 それが、「友達と飲んだあと、夜の公園でひとりっきりで全裸で大騒ぎ」って、大スターなのに、なんて孤独なストレス解消法なのだろう。酒癖の悪い大学生かサラリーマンと同じじゃないか。
 でもまあ、これが大学生とか普通のオッサンであれば「しょうもないなあ」で済むことでも、スポンサーや事務所の立場からすれば、「軽率極まりない行為」になってしまったわけで、人っていうのは、有名になったり、背負っているものが大きくなればなるほど、不自由になっていくものだということも思い知らされた。

 草なぎ剛、がんばれ!僕は今日からあなたを応援するよ。いままでのテレビ画面の向こうのあなたは、なんか「周りにつくり上げられた『いいひと』」って感じだったけど、この事件で、本当にあなたが「いいひと」なんじゃないかとはじめて思えたよ。
 この事件を自虐ネタにできる日が、きっと来るさ。

 ネットでの反応を見ていると、大部分の人が(ネタにしたりしながらも)草なぎさんを責めたりバカにしたりするのではなく、「人間だし、そういうこともあるよね」「ここまで叩かれなくても……」と同情的の声をあげているのにホッとした。ネットというのは、ものすごく過激な意見が氾濫していることもあるけれど、たしかに、メディアの暴走に対する「安全弁」になっているんだなあ、と実感。
 ただ、結局、そうやって「話題になって、(批判も含めて)みんなが報道に注目すること」そのものが、メディアにとっては、「計算どおり」なのかもしれないけれど。
 

アクセスカウンター