琥珀色の戯言

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愚者のエンドロール ☆☆☆


愚者のエンドロール (角川文庫)

愚者のエンドロール (角川文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
「折木さん、わたしとても気になります」文化祭に出展するクラス製作の自主映画を観て千反田えるが呟いた。その映画のラストでは、廃屋の鍵のかかった密室で少年が腕を切り落とされ死んでいた。誰が彼を殺したのか?その方法は?だが、全てが明かされぬまま映画は尻切れとんぼで終わっていた。続きが気になる千反田は、仲間の折木奉太郎たちと共に結末探しに乗り出した!さわやかで、ちょっぴりほろ苦い青春ミステリの傑作。

米澤穂信さんの「古典部シリーズ」第二作目(第一作目の『氷菓』の僕の感想はこちら
前作は、シリーズものの第一作であっただけに(米澤さんが、最初からシリーズものにするつもりだったかどうかはさておき)、キャラクター紹介の部分が多く、ミステリとしてはちょっと弱いな、と思ったのですが、今回は「前置き」が最低限で済むため、けっこう「本格ミステリっぽい」作品になっています。
逆に、前作で魅力的だった「キャラクターの魅力」は、ちょっと薄められているような気もしましたけど。
まあ、前回同様に「アイディアと切り取り方とキャラクター造形の技術で、専門知識も取材もなしで、これだけ面白いものが書けるのだ」ということに感心させられる作品ではありますね。
でも、やっぱり中高生〜20歳代前半くらいに読んだほうが楽しめそうです。
僕にはちょっと初々しすぎたかな。

ところで、「寿司屋から車をなかなか出さない友人の話」は、いったいどうなったんだろう……
あの「解答」が楽しみでこの文庫も読んだのに……

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