琥珀色の戯言

【読書感想】【映画感想】のブログです。2016年8月より、『はてなブログ』に移行しました。

トランスフォーマー/リベンジ ☆☆☆☆


『トランスフォーマー/リベンジ』公式サイト

あらすじ: オートボットとの壮絶な戦いの末に敗北したディセプティコンが、新たな仲間を率い、より凶悪になって復活。ディセプティコンの新たな侵略計画は、現存するオートボットたちの総力をはるかに上回る巨大なトランスフォーマー、“デヴァステーター”やメガトロン以上に凶悪な“フォールン”を擁するものだった……。(シネマトゥデイ

月曜日のレイトショーで鑑賞。
カップル1000円デーだったということと、先週末に『1』がテレビ放映されたこともあるのか、雨の月曜日の夜としては、30〜40人と観客はまずまず。

この映画、本当に「サービス精神旺盛な娯楽映画」としての完成度が高いなあ、と思います。
最近ずっと忙しかったので、150分という上映時間の長さは正直不安だったのですが(居眠りしちゃうんじゃないかと)、21時から2時間半、最後まで飽きることなく観ることができました。
観終わって、「ああ楽しかった」と思いつつ席を立ち、どんなストーリーだったっけ、と思いだそうとすると「なんかミーガン・フォックスが激エロになってるな……」というのと、「『ナルニア国物語』の第二作みたいだな」ということくらいで、今観たはずの映画なのに思い出せない。そうそう、なんか最後のほうは、『北斗の拳』の聖帝サウザー編みたいだった!
でも、この映画の場合、「それでいい」んですよね。「これすごく手間とお金がかかっているんだろうなあ」という「トランスフォーム」の映像にワクワクして、オプティマス・プライムの雄姿に涙する。とりあえず、「人類の未来は明るい!」はず……

ほんと、久々に「アメリカンなアクション映画の王道」を観たような気がします。
すごいよアメリカ軍。世界中に出動してディセプティコンを迎撃だ! まさに「世界の警察」!
観ながら、「ディセプティコンがいたほうが、人類は協力しあうんじゃないか?」というようなことを真剣に考えてしまいました。
(ちょっと『ウオッチメン』的陰謀史観ですが)
ディセプティコンのおかげで、いちばん得しているのはアメリカなのでは……

平凡な大学生が、実は「選ばれた人物」で、師の自己犠牲を目の当たりにして成長していく……
まさに「週刊少年ジャンプ」的なストーリー+圧倒的な映像でグイグイと最後まで引っ張っていくこの映画、「主人公たちだけよければいいのか?その陰で、軍人、民間人が万単位で死んでるぞ……」という思いがチラリと僕の頭をよぎるのですけど、まあ、そんなことを考えずに、「変形シーンカッコいい!合体ロボもあるぞ!」と素直に楽しむのが、この映画の流儀なのでしょう。
いや、「素晴らしく面白い映画」ですよこれは。まさに「大人から子供まで楽しめる、お金と手間をしっかりかけた娯楽大作」。
マイケル・ベイ監督は、本当に「求められた仕事を完璧にこなした」のではないでしょうか。

僕がちょっと気になったのは、今回の「大ボス」のはずのフォールンの弱さと、やたらとアメリカ軍が強かったこと。というか、ディセプティコンは、かなり前作より弱体化しているような。
やっぱり、「どうやっても勝てそうもない悪いヤツ」じゃないと、なんとなくラストが盛り上がらない。
あと、乱戦になると、銀色のやつはどっちが敵か味方かわからなくなったり、話が世界規模の戦いになってしまったためなのか、「トランスフォームすることを利用した仕掛け」が少なくなってしまったように思われました。トランスフォームのバリエーションはかなり増えてはいたし、前作では速すぎてトランスフォームのプロセスがよくわからなかったのが、比較的ゆっくり見せてくれる場面もあったんですけどね。最初の中国のシーンにお金をかけすぎて、予算が尽きてしまったのかな。
これだけトランスフォームしまくると、ちょっとやそっとじゃ観客も驚かなくなってしまいますから、次回作はどうするんだろう。

いろいろ書きましたが、これほどの「素直に楽しめる娯楽大作」は、めったにありません。
魚の小骨を抜くように「説教くささ」や「後味の悪さ」を消していったスタッフの努力は素晴らしい。
かつて、中島らもさんが、劇団「リリパット・アーミー」を旗揚げした際に、「観ている途中はとにかく大笑いできて、劇場を一歩出たら、何も頭の中に残っていないような舞台をつくりたい」と仰っていたのですが、この『トランスフォーマー/リベンジ』って、まさにそんな作品です。『ダークナイト』の後ですし、「観客に社会的・政治的なアピールをしたい」「観客が『解釈』したがるような作品をつくりたい」という衝動だって、あったのではないかなあ。
そんな欲求と闘いながら、これだけの「観客を楽しませることに徹した作品」をつくるのは、そんなに簡単なことではなかったはず。

やっぱり、こういう映画って必要ですよね。映画館で観てよかった、儲けた!って思うもの。

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