琥珀色の戯言

【読書感想】と【映画感想】のブログです。

7つの贈り物 ☆☆


【ストーリー】
過去のある事件によって心に傷を抱えながら生きるベン・トーマス。
その過去と折り合いをつけるべく彼は、自分の選んだ7人へ“贈り物”を渡す計画を立てる。
そんな中、愛する人に出会い、生きる歓びを取り戻した時、ようやく“7つの贈り物”をおくる日が訪れ・・・・。
複雑な人間性をウィル・スミスが渾身な演技で贈る、生命の尊さを描いた映画史上類をみない究極の感動作!

観終えたあと、「7つ」もあったっけ?と思わず数え直してみたのですが、結局、「まあ、どうでもいいか」と考えるのをやめてしまいました。
観ながら、「なんだこの細切れのシーンばかりで、盛り上がらない映画は?」と思っていたのですが、途中で、「ああ、そういうオチなんだな」とわかってしまい、実際のラストもそのまんま。
「なぜそんな贈り物をする必要があったのか?」というのが最後の疑問だったのですけど、それもとくにヒネリなし。

これを観ながら僕が考えていたのは、「しかし、この方法では、目的通りの相手に『贈る』ことは難しいのではないか、ということでした。
だって、「異状」ですよどうみてもあれは(あの人には問題なかったかもしれませんが)。

この映画、「感動作」というよりは、「究極のナルシズムを描いたトンデモ映画」だと僕は感じましたし、あのタイミングというのは、ある意味「いやがらせ」にしかならないのでは……という気がします。
もらったほうは、けっこう嬉しそうでしたけど。

ネタバレすると面白くない映画(とはいえ、大部分の人は、半分くらい観ればオチはわかると思います)なので、詳しくは書きませんが、個人的には、「実際に苦しんでいる人がたくさんいるなかで、こういう安っぽい似非ヒューマニズムをまき散らさないでほしいなあ、としか僕には思えませんでした。

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