琥珀色の戯言

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フロスト×ニクソン ☆☆☆☆


フロスト×ニクソン [DVD]

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【ストーリー】
1974年、ウォーターゲート事件の汚名にまみれ、チャード・ニクソンは大統領を辞任する。“アメリカ歴史上、自ら辞任した初の大統領”という不名誉なタイトルをまとうが、事件に関する特赦を得、追訴を逃れ政界を去っていった。しかし、任期中の偉業をアピールすることで汚点を消すことを目論む彼はついに、3年間の沈黙をやぶってウォーターゲート事件を含む単独インタビューに答えることを承諾する。ニクソン選んだインタビュアーの相手は、英・豪で活躍し、これを機会にアメリカ進出を目指すコメディアン出身のセレブなテレビ司会者、デビッド・フロストだった。誰もが以外な取り合わせに驚くが、お気軽なテレビの司会者フロスト相手のインタビューは、ニクソンにとって楽にこなせ、また、インタビューでアメリカ国民の心をとらえ政界復帰へチャンスを与えるもののはずだった。しかしながら、それぞれがブレインを抱え取り組むインタビューは、まさに頭脳戦による格闘技。ニクソンは、糾弾から逃れることができるのか?フロストは、国民への謝罪を勝ち取れるのか? 4500万人が目撃したインタビューとその裏側で起こっていた頭脳戦を完全映画化!

僕は「歴史もの」「伝記もの」が大好きなので、この作品を観るのをけっこう楽しみにしていました。評判も良いですし。
ちょうど2時間の作品を観終えて感じたのは、「表舞台に立つ人たちにとっては、インタビューもまた、ひとつの『格闘場』なのだな」ということ、そして、リチャード・ニクソンという「アメリカで自ら辞任した初の大統領」の哀しみでした。
リチャード・ニクソン役のフランク・アンジェラさんは、本当に「好演」だったと思います。
終始ニクソンのペースで進んでいったこの「歴史的なインタビュー」は、ニクソンのある行為をきっかけに、急展開をみせます。
なんとなくニクソンを応援したくなっていた僕は、「何それ? ニクソンさん、そんなのであっさり白旗上げちゃうの?」って気が抜けてしまいましたし、そんなにうまくいくのだろうか?と疑問にもなったんですよ。
いや、もっとドラマティックな「転換点」があるべきなんじゃないか、って。
でも、考えてみれば、歴史というのは、むしろ、「当事者のちょっとした気分の変化」みたいなもので大きく揺れ動いてきたものなのかもしれません。
「なんでそんなことで!」っていうほうが、むしろ、「リアル」なのかな。

アメリカの歴史にも「ウォーターゲート事件」にもそんなに詳しくない僕にとっては、ちょっと親近感がわきづらいところもあったのですが、「歴史好き」にとっては、なかなか興味深い作品でした。
「インタビューでは、有名人がインタビュアーに対して『素の表情』をみせている」と思っている人も、一度観てみることをおすすめします。
インタビューって、ボクシングだったり、プロレスだったりするんだなあ。

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