琥珀色の戯言

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アインシュタイン150の言葉 ☆☆☆☆


アインシュタイン150の言葉

アインシュタイン150の言葉

内容(「MARC」データベースより)
人間性について絶望してはいけません。なぜなら私たちは人間なのですから-。人生について、世界について、洞察力と機知、知恵に満ちたアインシュタインの言葉を集めた本。

118ページある本なのですが、「名言集」ということもあって空白部分が多く、ざっと読むだけなら、30分もかからないはず。
1200円+税金という価格は、かなり割高なのではないかと思います。
おそらく、ネット上でも、ある程度「アインシュタインの言葉」を拾い集めることはできるでしょうし。
しかしながら、「名言フリーク」としては、とても魅力的な言葉が詰まっている本ではありました。

相対性理論」で有名な、「20世紀最大の物理学者」アルベルト・アインシュタイン
しかしながら、子どもの頃は学校にうまくなじめず、大人になってからも「ユダヤ人であること」に翻弄されるなど、けっして、「順風満帆なだけの人生」ではなかったんですよね。
自分の好きなことにしか目もくれず、孤独を愛した(でも、あまりにも大きな「知性の象徴」であるため、孤独を貫くことは許されなかった)アインシュタインの言葉には、楽観と「所詮、人間であること」への絶望が入り混じっているのです。

なかでも、僕のお気に入りは、この言葉。

どうして、自分を責めるんですか? 
他人がちゃんと必要なときに責めてくれるんだから、いいじゃないですか。

確かにそうだよなあ。
あらためて言われてみると、「自分くらいは、自分を責めないでいいじゃないか」っていう気がしてきます。
ただ、アインシュタイン自身も、原爆の開発に関与してしまったことに対して(実際には、直接携わったわけではないようですが)、「自責の念」に駆られていたようで、「わかっていても、自分のこととなると、また別の話」なのかもしれません。
「自分を責めてしまう自分の愚かさ」を、さらに責める自分、なんていうバカバカしい連鎖も、僕の場合は少なからずあるんだよなあ。

その他にも、刺激的な言葉をアインシュタインはたくさん遺しています。

わたしは、心地よさや幸福などを人生の目的だと思ったことは一度もありません。わたしは、これらを「豚飼いの理想」と呼んでいます。

賞賛による堕落から逃れる方法はただひとつ。仕事を続けることである。
人は、立ち止まって賞賛に耳を傾けがちであるが、唯一なすべきは、賞賛から目をそらし、仕事を続けること。
それ以外の方法はない。

この本自体は、「ちょっと割高」ではあるのですが、手元に置いて、ときどき寝る前にパラパラめくるには、すごく良い本なのではないかと。
僕はアインシュタインが原爆開発に関わったこととか、妻に暴力をふるっていた(らしい)ことも知っているので、「手放しで尊敬する」のは難しいです。
それでも、ユーモアのセンスも含めた「20世紀最大の知性」の言葉というのは、やはりすごく魅力的ではありますね。

最後に、僕がもっとも好きなアインシュタインの言葉を御紹介して終わります。

想像力は、知識よりも大切だ。
知識には限界がある。
想像力は、世界を包み込む。

「知識」が簡単に手に入る時代だからこそ、いっそう、いまの時代の人間には「想像力」が問われているのではないかと思うのです。

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