琥珀色の戯言

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ザ・ファイター ☆☆☆


あらすじ: 地域の期待を一身に背負う名ボクサーだが、短気でだらしない性格から破綻した日々を送っている兄ディッキー(クリスチャン・ベイル)と、才能に恵まれていないボクサーの弟ミッキー(マーク・ウォールバーグ)。過保護な母アリス(メリッサ・レオ)や兄に言われるがままに試合を重ねるが、なかなか芽が出ず……

映画『ザ・ファイター』公式サイト


2011年12作目の劇場鑑賞映画。
金曜日のレイトショーで観たのですが、観客は10人程度。全員男性。
アカデミー賞でも作品賞にノミネートされるなど、評判が高かった作品。
助演男優賞・女優賞も獲得しています。
僕は格闘技ものの映画がけっこう好きなので、けっこう楽しみにしていたのですが、見終えて、「うーん」と考えこんでしまいました。


アメリカ人と日本人の「家族観」の違いなのかもしれませんが、最後まで観て、「それで本当にいいのかな?」と考えずにはいられなくて。
もっとボクシングシーンが多い映画だと思っていたのだけれど、上映時間の大部分は、「濃密に結びつき、主人公に寄生している、迷惑な家族の物語」でしたし。
これじゃあ、「大家族スペシャル」だよ……


たぶん、クリスチャン・ベイルをはじめとする役者たちは、「本人そっくり」のキャラクターを演じていたのだと思います(モデルの2人が出てくるシーンもあるます)。
でもなあ、こういう「伝記映画」で「本人そっくりの演技」が賞賛されがちなのって、僕はちょっとおかしいんじゃないかと感じています。
架空のキャラクターにリアリティを与える演技のほうが、「物まね」よりも難しいと思うんだけどなあ。


この映画、けっこう好き嫌いが別れるはずです。
たぶん、日本人には、手放しでは賞賛しがたい映画でもあると思います。
そんなにうまくいくわけないよ、と、少なくとも僕はしらけてしまいました。
もしこれが「事実に基づく物語」でなければ、「ひどい脚本だ……」と呆れていたかもしれません。


それにしても、アメリカ人は『ボクシング映画』が好きですよねえ。

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