琥珀色の戯言

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マイティ・ソー ☆☆☆


参考リンク:映画『マイティ・ソー』公式サイト

あらすじ: 神の世界では最強の戦士といわれていたものの、横暴でごう慢な性格が災いとなり、地球へ追放されてしまったソー(クリス・ヘムズワース)。神の世界での力を失ってしまったソーに凶悪な敵たちが次々と襲い掛かり、ソーは地球でも戦いの日々を送ることに……。

今年17本めの劇場鑑賞作品。
平日の夕方からの回で、観客は僕も含めて6人でした。
僕は基本的に字幕派なのですが、今回は、ちょっと疲れていたのと、上映時間の関係で、3D吹替え版を選択しました。
この映画に関しては、結果的にそれで正解だったような気がします。
英語は苦手で、字幕をみないと意味がわからないにもかかわらず、「出演している俳優さんたちのナマの声を聞かないと失礼」みたいな「義理立て」を普段はしているのですけど、こういうアクションを観る映画+3Dだと、映像と字幕を両方追いかけるのは、けっこう目に負担がかかります。

この『マイティ・ソー』、良くも悪くも、「ああ、アメコミっぽいなあ!」という作品です。
「アメコミ系」でも、『スパイダーマン』あたりだと、「主人公の苦悩」みたいなのがけっこう全面に押し出されてくるのですが、この『マイティ・ソー』は、主人公のソーが地球に追放されて、ナタリー・ポートマンと仲良くなったら、いつのまにか「人格者」になってしまうというお手軽っぷり。
弟は何を考えているのか結局よくわからないし。
いいのかそれで?
まあ、いいんだよね、「神様」だし(って、志村けんのコントみたいだな……)

「3Dを過剰にアピールするような、いろんなものが目の前に迫ってくるような演出」は、ほとんどありません。
映像は美しいし、音響もかなりの迫力なのですが、3Dはむしろおとなしく「奥行き」が少しあるように感じる程度です。
最近は、3D映画もこんな感じの「観ていて疲れない程度の3D」が増えてきましたね。
そういう意味では、『塔の上のラプンツェル』の3Dでのランタンの演出は、本当にすばらしかったと思います。

と、あまりこの作品そのものに触れずに終わってしまいそうなのは、この『マイティ・ソー』が、「つまらなくはないし、リラックスして観るアクション映画としては良作だけど、それ以上でも、それ以下でもない」という一言で紹介し終えてしまうから、なんですよね。
ブラック・スワン』のあとに、この『マイティ・ソー』でナタリー・ポートマンさんを観ると、「仕事選んでないな〜」という気分にはなります。
もっとも、『ブラック・スワン』みたいな仕事ばかりしていたら、かなり精神的にキツそうだから、これでバランスがとれているのかもしれません。
浅野忠信さんは、そこそこ出番はありますが、今作に関しては、ソーとロキとアンソニー・ホプキンス以外の「神様側」は、全体的に個性を発揮できるほど、目立ってなかったからなあ(あっ、門番の人はなかなかいい役だったかも)。

こういう「歴史系」「神話系」は個人的にはけっこう好きなので、僕は払ったお金の分くらいは楽しめました。
でも、「映画にテーマを求めてしまう日本人」には、あんまりウケない映画だろうな、とも思います。

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