琥珀色の戯言

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太平洋の奇跡−フォックスと呼ばれた男− ☆☆☆


◆映画概要◆
太平洋戦争末期、絶望的な状況で生き抜いた、名もなき兵士の真実の物語。
終戦から65年、日米のスタッフ・キャストが贈る感動の超大作。
65年の時を超えて、彼の想いが、私たちの心を震わせる――
1944年、太平洋戦争末期、玉砕のサイパンにアメリカ軍から“フォックス”と呼ばれ、畏れられたひとりの日本人がいた。
大場栄大尉。男は最後、47人になりながらも仲間の兵士たちと共に、16ヵ月もの間、敵に立ち向かい、多くの民間人を守り抜いた。
彼の誇り高き魂が、味方の日本人だけでなく、敵側のアメリカ人もの心も大きく動かしていった―。
これは、絶望的な状況の中、最後まで諦めずに生き抜いた名もなき兵士とその仲間たちの実話に基づく真実の物語である。
終戦から65年経った今― 日米のスタッフ・キャストが一つとなって、日本の魂とアメリカのリアルをダイナミックに描く。

 DVDで鑑賞。
 「戦争映画」には、観はじめると、なかなか目が離せなくなるところがあります。
 半分だけ観て、残りは明日、と思っていたのですが、結局、一晩で観てしまいました。

 しかしこの作品、最後の行進は見事だったけれども、あんまり盛り上がらない戦争映画ではあったんですよね。
 予算の関係とか、いろいろあるんでしょうけど、『プライベート・ライアン』みたいに壮絶な戦闘シーンがあるわけでもなく(ちなみに、僕の友人で、『プライベート・ライアンの冒頭の戦闘シーンに耐えかねて、観るのをやめて帰ってしまったひとが二人います)、『硫黄島からの手紙』のような、緊張感があるわけでもなく。
 もっとも、そのほうが「戦場の現実」には近いのかもしれませんが。

 この映画のなかでは、大場大尉たちは、しばしば米軍の『日本人収容所」とやりとりをして援助してもらったり、米軍と交渉したりしています。
 あの環境のなか、16ヵ月も生き抜いたのは凄いことだけれども、その一方で、アメリカ軍に積極的に攻撃を仕掛けたわけでもなく、アメリカ軍にとっても、「わずらわしい存在ではあるけれども、犠牲を払ってまで徹底的に排除すべき存在ではなかった」ようです。
 それでも「生き延びた」のは素晴らしいことなのでしょうけど、観客としては、「戦争の悲劇」を描いているにしては残酷さが足りないし、「大場大尉たちの英雄性」を見せるための映画としては、それを印象づける具体的なエピソードに乏しい、そんな感じだったのです。
 何かが、物足りない。
 結局、観客というのは、派手なドンパチや残虐シーン、ドラマチックな人の死を、映画に求めているものなのでしょうか……

 井上真央がやっていた女性のクレーマーみたいな態度にややムカつき、あの役を唐沢寿明さんがやっていたということに驚いた。エンドロールを観たときには、「唐沢さん、出てたっけ?」って思ったのですが、この映画、なんか「豪華キャストの無駄遣い」っぽいですよね、ほんと、なんだかいろいろと勿体ない映画ではありました。