琥珀色の戯言

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トゥルー・グリット ☆☆☆☆


トゥルー・グリット スペシャル・エディション [DVD]

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★ストーリー
マティ・ロスは信念の強い14歳の少女。ある夜、父親が雇い人のチェイニーに無惨にも撃ち殺された。
逃亡者となったチェイニーは、ネッド率いる悪党たちの仲間に入る。父の形見の銃を受けたマティは仇討ちを誓い、連邦保安官コグバーンに犯人追跡を依頼。別の容疑でチェイニーを追っていたテキサス・レンジャーのラビーフも加わり、3人の過酷な旅が始まる。
そして遂に、真の勇気“トゥルー・グリット”が試される運命のときが訪れた……

「ジョエル&イーサン・コーエン兄弟とスティーブン・スピルバーグの最強タッグで贈るウエスタン」だそうなのですが、率直なところ、僕は西部劇に疎いので、これが「良質なウエスタン」かどうかは、よくわからないんですよね。
 ただ、この作品を観ていると、「正しさ」と「強さ」と「優しさ」について、すごく考えさせられました。
 この物語の主役3人、マティ、コグバーン、ラビーフは、いずれも個性的で「強い」人間です。
 その一方で、理屈っぽいだけで力がなかったり、酒に溺れたり、冷静さが足りなかったりというような弱点も抱えています。
 「道義的に正しい方法」だけでは、復讐を果たし、「正義」を全うすることはできない。
 生き抜く、そして目的を果たすためには、ある種の「残酷さ」が必要となることもあるのです。
 それも、迷うことなく、仲間を「見捨てる」ような。
 それでも、あなたは「使命を果たす」のか?


 これは、本当に残酷な物語だと思うんですよ。
 ウエスタンらしいアクションよりも、「極限状態での、人間の強さとは、優しさとは何か?」が問われ続ける映画です。
 状況によっては、普段は「残酷なこと」が、いちばん優しい選択肢になることもある。
 いちばん大事なものを守るためには、二番目に大事なものを切り捨てざるをえないこともある。

 もう、この映画に出てくる人、全員嫌い!
 というか、こんな復讐、お父さんだって喜ばないだろ……
 そんなことも考えてしまいます。

 この映画を観ていると、僕にとっての「優しさ」の概念みたいなものが、どんどん否定されていくような気がするのです。
 そんなのは、本当の優しさじゃなくて、優柔不断さを優しさだと思い込もうとしているだけなんじゃないか?


 マティ役の「天才少女」ヘイリー・スタインフェルドさんの演技は上手いのだけれど、上手すぎて、「理屈っぽいだけの、感じ悪い子供」という印象が僕には強かったかな。
 ジェフ・ブリッジスさんはカッコいいです。マット・デイモンさんは、「こんなちょっと軽めの役もできるのだな」と。

 「西部劇」の予備知識がなくても楽しめますし、コーエン兄弟の作品だからと身構えることなく観てみてください。
 僕にはたぶん、この映画に隠された「意味」の半分も理解できてはいないのだろうけど。

 

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