琥珀色の戯言

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ゴーストライター ☆☆☆☆


ゴーストライター [DVD]

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【ストーリー】
元英国首相アダム・ラングの自叙伝執筆を依頼されたゴーストライター。ラングが滞在する真冬のアメリカ東海岸の孤島に1ヵ月閉じ込められることと、締め切りまで時間がないことを除けば、おいしい仕事のはずだった。しかし、前任者のゴーストライターは事故で死んだという-。とにかく、気乗りがしなかった・・・。 仕事を始めた直後、ラングに、イスラム過激派のテロ容疑者を“不法”に捕らえ、拷問にかけたという戦犯容疑がかかる。しかし、この政治スキャンダルもまだ序章に過ぎなかった。 はかどらない原稿と格闘していく中で、ゴーストライターはラングの発言と前任者の遺した資料との間に矛盾を見出し、ラング自身の過去に隠されたもっと大きな秘密に気づき始める。やがて彼は、ラングの妻ルースと専属秘書アメリア・ブライとともに、国際政治を揺るがす恐ろしい影に近づいてゆく・・・。

 ロマン・ポランスキー監督の作品を観るのは、『戦場のピアニスト』以来です。
 僕はこの作品が劇場公開されたことも知らなかったのですが、昨年のランキングなどではけっこう評判が良かったので観てみました。

 見終えて、なんともいえない、後味の悪さがまとわりついてしまう作品ではあったのですが、それも含めて、「ああ、なんだか久々に、ヨーロッパの映画を観たなあ」と感じました。
 音楽の使い方とか、ストーリー展開とか、どうしても「見慣れたハリウッド映画と比較してしまう」のです。
「ハリウッド作品だったら、ここで派手なカーチェイスになるはずなのに」とか「ハリウッドであれば、この場面では、盛り上げるようなBGMが流れるはずなのに」とか。
シルク・ドゥ・ソレイユのステージで流れてくるような、哀愁と滑稽さが入り混じった音楽がすごく印象的なんですよね、この作品。
BGMだけで、「ヨーロッパの映画文化」みたいなものが感じられるのです。


いや、僕は「ハリウッド全否定派」じゃないですし、ハリウッド映画の観やすさ、わかりやすさは嫌いじゃありません。
でも、この『ゴーストライター』を観て、「ああ、映画って、こういう見せ方もあるんだよなあ」と再確認できた気がします。
派手なアクションもSFXもなく(SEXは無くもないのですが)、元大統領の「ゴーストライター」に雇われた男が、ついつい「大統領の秘密」を暴いてしまうという地味な作品なのですけど、観ていて、「ねえ、もうそんなに深入りしない方が良いよ絶対……」と思いつつも目が離せない。
ほんと、人間の「知りたい欲求」って、めんどくさいものだよなあ。


「ハリウッド映画や日本映画には、ちょっと飽きてきたなあ」という人におすすめしたい作品。
すごく「余韻」がある映画だと思います。

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