琥珀色の戯言

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映画 怪物くん ☆☆

「映画 怪物くん」豪華版DVD<初回限定生産>

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内容(「キネマ旬報社」データベースより)
嵐の大野智が短気でわがままな怪物ランドの王子・怪物くんを演じるTVドラマシリーズの劇場版。人間界に戻って来た怪物くん一行が訪れたのは“カレーの王国”。“伝説のカレー”食べたさにさらわれた姫の救出を引き受けた怪物くんだが…。


僕はマンガの『怪物くん』は子どものころから『コロコロコミック』や「てんとう虫コミックス」で読んでいたのですが、実写の『怪物くん』は初めて観ました。
テレビを1回も観たことのない状態で、いきなり映画版では厳しいかな、と心配だったのですが、「うるさ〜〜い」とか、「怪物3人組」の役に立たなさは、まあ『怪物くん』だな、と。


とはいえ、これを観ていると、『怪物くん』の魅力は、どこにでもあるような日常生活に、いきなり紛れ込んでくる怪物一家のギャップにあることを思い知らされます。
舞台がインド風の「カレーの国」だと、「三蔵法師のいない西遊記」みたいになってしまっているんですよね。
アクションとしてもドラマとしても、夏目雅子堺正章時代のテレビドラマ『西遊記』のほうが、はるかに面白いような……
まあ、あれは歴史的名作ドラマなので、比較するのが間違っているのかもしれませんけど、こちらは一応、「映画」として入場料をとっていた作品だから。
映画だから、特別に舞台を変えて……と考えるのかもしれませんが、舞台が特殊だと、『怪物くん』って、あんまりキャラクターが活きないような気がします。
狙ってやっている部分もあるのでしょうが、やたらと安っぽい作りだしなあ。
怪物くんの念力のCGだけで、予算を使い果たしてしまったのかな……
今回は「ワガママとは何か」というのが、ひとつのテーマになっているようなのですが、この劇中で「ワガママ」とされているものは、そもそも「ワガママ」じゃなくて、「責任感」とか「思いやり」なんじゃない?って言いたくなってきます。
子供向け、ということなのか、すべてがあっさり風味で、突然改心する民衆や、いきなりはじめる巨大ロボットバトル、恋愛小芝居など、ツッコミどころ満載です。


いやまあ、いい大人が見て、文句を言うような作品じゃないのかもしれないけれど、昔からの原作ファンにとっては、なんだかちょっと寂しい内容でした。
ヤッターマン』みたいに、子供時代にアニメを観ていて、大人になって実写化された映画を観ても楽しめる作品もあるのにねえ。
出演者に特別の思い入れがある人、テレビでの実写版が面白かった人以外には、積極的にはオススメしません。

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