琥珀色の戯言

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ワイルド7 ☆☆☆☆


ワイルド7 [DVD]

ワイルド7 [DVD]

内容(「キネマ旬報社」データベースより)
国家によって選び抜かれた7人の元犯罪者“ワイルド7”が問答無用で悪人を裁く痛快アクション。人質は日本国民1,300万人、要求は2億ドルという史上最悪のウィルステロが発生。国家の危機に“ワイルド7”への出動命令が下る。瑛太椎名桔平ほか共演。

観はじめて最初の30分くらいは、なんだかもう失笑しそうだったんですよ。
これ、本当に去年公開された映画なんだよね、って。
あまりにもベタな展開、説明的なセリフ(まあ、長い原作を2時間くらいの映画にまとめるときには、よくあることなんですが)、主人公以外は、「立ってない」キャラクターたち。
ほんとに、こんなのよく2011年につくったよなあ。中井貴一さんや深田恭子さんも仕事選べばいいのに!
そもそも、原作マンガ『ワイルド7』の原作の時代と現在が中途半端に入り混じっていて、映画のなかでの『ワイルド7』の面々が「浮いている感」が半端ないです。
1980年代の人たちが、2012年にタイムスリップしてきたみたい。
まるで、ハリウッド映画に、日本の特撮ヒーローが登場してしまったような違和感。
これならば、今回の映画でも、原作マンガの時代を再現したほうがよかったんじゃないかなあ。
それはそれでお金がかかるのかもしれませんけど。


ところが、観ていくいるに、あまりにもありきたりな展開にもかかわらず、「あれ、なんかこれ、意外とイケるかも……」という気分になってきたのです。
1970年代後半から1980年代のドラマ、僕にとっては懐かしい『ザ・ハングマン』に、それなりにお金をかけてアクションとキャストを強化したら、こんな感じなのかな、って。
悪いヤツが、誠心誠意悪党として振る舞い続けるのも、また良いんだよなあ。
この映画の愉しみは、吉田鋼太郎さん演じる悪の黒幕が、どんなやられ方をするか(この人がまた、悪代官っぽい伝統的な悪党感満載なんですよ)なのです。
やっぱり、悪いヤツが憎らしくないと、こういう懲悪モノのドラマって、燃えないんだよね。
そして、中井貴一さんが締めるところは、きちんと締めてくれます。
中井さんって、『どろろ』のときも痛感したのですが、「けっこうキワモノっぽい作品や役柄でも、ちゃんと良い仕事をする役者さん」ですよね。
「無関係な人間を犠牲にするな」なんて、そんなムチャぶりがなければ、もっと楽勝だったのに!


この作品、劇場公開時はけっして好評とはいえなかったみたいなのですが、レンタルDVDのランキングでは、けっこう上位をキープしています。
正直、「映画館に行ってまで観るほどでは……」なんだけど、僕が子供の頃に観ていた「勧善懲悪ドラマ」を思い出させてくれる、懐かしい風味のある作品だと思います。
「感動」とかを期待されては困りますが、「うわー、なんかよくわからんけど、とにかくベタで強引で派手だなあ!というか、これでも死なないのかよこの人たち!」とツッコミつつDVDを観るには最適な作品だと思います。


僕は原作に思い入れがない(というか、ほとんど読んだ記憶がない)ので、原作ファンにとって「良い作品」だったかどうかは、見当もつかないんですけどね。