琥珀色の戯言

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シルク・ドゥ・ソレイユ3D 彼方からの物語 ☆☆☆



あらすじ: 田舎町のサーカスにやって来たミア。ミアの視線を感じ、見つめ合っていた空中ブランコ乗りの青年が、突然ブランコを握り損ねて下に落ちてしまう。駆け寄ったミアだったが、青年は地面に吸い込まれてしまい、それを見たミアも後を追う。やがて目を覚ましたミアは、まったく知らない世界にいることに気付く。その後ミアは、消えてしまった青年を捜すために歩みを進めるが……。

参考リンク:映画『シルク・ドゥ・ソレイユ3D 彼方からの物語』公式サイト


 2012年35本目の映画館での鑑賞作品。
 お昼前から、正午をはさんでの上映ということもあってか、それなりに広いシアター内に、観客は僕とあと一人だけでした。
 シルク・ドゥ・ソレイユジェームズ・キャメロン監督が撮る、というのを聞いて、ぜひ観に行かねば、と思っていたのですが、なかなか機会がなかったのでようやく。
 『エヴァンゲリヲン新劇場版・Q』などは、けっこう賑わっていたんですけどね。

 この作品、シルク・ドゥ・ソレイユが映画のためのオリジナル演目をやるのかと思いきや、既存のステージを繋ぎ合わせたものでした。
 『O』などの演目が撮影されていて、映像は美しいし、音楽もシルク・ドゥ・ソレイユのもの(ステージで使われているプレスリーやビートルズなどのナンバーを含む)なので、「らしさ」は十分感じられるのだけれども、なんだか途中で眠くなって困ってしまいました。
 普段のステージの客席からは絶対に見ることができないアングルの映像とか、アップやスロー映像など、もともとシルク・ドゥ・ソレイユについての予備知識があれば、その「希少性」を楽しむことができると思うのですが、いきなりこれを観ると、「うーん、すばらしいワザの数々、なんだろうけど、なんかよくわからないというか、1時間半も環境ビデオを見せられているような感じ」かもしれません。

 僕にとっては、DVDを買って、何か他のことをやるときに流しておくにはちょうどいいけれど、映画館で集中して観ろといわれると、ちょっと飽きるな、という作品だったのです。
 こういう映画ができるらしいよ、と、一緒に何度もシルクのステージを観に行っている妻に話したとき、「それ、面白いと思う?映画だと、絶対に演技を失敗しないとわかっているのに」と言われたのですが、実際に観てみると、失敗やアクシデントを望んでいるわけではないのだけれど、ちょっとダレてしまう。
 観客の反応や緊張感も含めて、ステージというのはつくられているです。
 でも、僕には、実際に自分の目で確かめてみないと、「超一流のパフォーマンスが、超一流の監督の手で撮影されているのに、なぜ退屈になってしまうのか?」が理解できなかったのです。
 パフォーマーの失敗やアクシデントを期待している、というわけではないつもりなのだけれども。

 シルク・ドゥ・ソレイユのステージが、こうして記録されたのは、素晴らしいことだと思うのです。
 でも、よくできた記録映画だからこそ、「生のステージとの違い」が浮き彫りにされた作品でもありました。

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