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琥珀色の戯言

【読書感想】【映画感想】のブログです。2016年8月より、『はてなブログ』に移行しました。

堀潤さんの「問題の動画」を実際に観て、考えてみた。

WEB 社会


参考リンク:「WEDGE9月号原発推進特集の舞台裏」について放送したら当事者に突っ込まれた堀潤さん - Togetter


この話を読んで、僕も「ああ、堀潤さんやっちまったな……」と思ったんですよ。
それこそ、「上杉隆さんの二の舞か……」とも。
でも、最近堀潤さんの『僕がメディアで伝えたいこと』という新書を読んで、堀さんのこれまでの生き方や、これからやろうとしていたことに、けっこう共感してもいたので、ちょっと気になったのです。
このまとめ記事に対する反応で、堀潤さんを嬉々としてバッシングしている人たちは、実際に堀さんの放送を観たわけではなく、twitter上での『WEDGE』の編集長とのやりとりだけで、「堀潤は捏造をしている」「ジャーナリスト失格!」と言っているように見えたので。


僕は「ネット上で、一度『悪』だと決めつけられた人(多くは他人と違う生きかたをする「出る杭」に属する人)に対して、多くの人が自分の頭で判断をせずに、他者の尻馬に乗って批判し、炎上させて快哉を叫んでいることを悲しく感じています。


だから、今回の件を他人が貼ったレッテルで判断する前に、自分で少し調べてみることにしたのです。
いや、「調べる」ってほどのこともないんですけどね。
630円払って、堀さんが『WEDGE9月号』のことを話したという動画を実際に観てみただけなので。


ちなみにこれがその番組。
ネルマエニュース24 #28
(月額630円の会員のみ視聴可能です。ちなみに視聴者数(たぶんリアルタイムでの)は1000人あまり。堀さん批判のエントリの盛況っぷりを考えると、堀さんを批判している人で、実際にこの動画を観た人の割合は、かなり少ないのではないかと思われます)


ものすごく率直に言わせてもらうと、この動画、堀さんのファン、というわけではない僕にとっては、冗長なラジオの深夜放送みたいで、聴きながら一回居眠りしました。
こういう雰囲気が好きな人もいるんだろうけどさ、もっとチャキチャキやれないのか、こっちもそんなに暇じゃないんだから……とか思いつつ、ずっと聴いていても、なかなか『WEDGE』の話は出てきません。
その話題がようやく出てきたのは、開始47分後(その話は、全部で5分くらいでした)。
もっと「糾弾ムード」なのかと思いきや、のんびりした雰囲気で、「『WEDGE』の方に今日話を訊く機会があって(たしかに、『WEDGE』の方(かた)、と言っています、放送内では)」という前置きで、その話は始まりました。
内容は、「『WEDGE』はJR東海が出している雑誌で、『WEDGE』9月号の「いまこそ、原発を再稼働すべきだ!」という特集は、JR東海の葛西会長の肝いりで決まった」というのと、「それに対して、JR東海労働組合が、『いまの時点でそういう特集をするのはあまりにもバランスを欠いている』と反発し、車両内の広告の量が減った」というものです。
それだけの内容なんです。
あと、「今年の3月くらいに『WEDGE』で自民党政権を批判する記事を書いたら、ある部分の数字が間違っているということで、圧力をかけられ、全部回収、修正させられたことがあった」という話も出てきました。


というか、「本当にそれだけ」なんですよ。
堀さんは記事の内容には言及していません。
原発に対して云々というよりは「ジャーナリズムに対する、さまざまな圧力の存在」を語っているだけです。


で、この内容、担当編集者に「JRの会長にあの特集をしろって言われたんですか?」と直接あたっても、おそらく、「何も言えない」のではないかと。
僕自身は、「ノーコメント」であっても、聞いてみるべきだったんじゃないか、とも思うのですけどね。
ただ、ここで語られているのは「記事の内容」とは関係ないことで、「記事を直接書いた人間ではなくても、『WEDGE』にある程度深く関わっている人なら、十分知り得た舞台裏の話」だと思います。


堀潤さんのtwitterに関していえば「担当者」という言葉を使ったのはたしかに「脇が甘い」感じではあり、そこで「すみません、『関係者』の誤りでした」と訂正すればよかったのではないかと思うし、「裏とり」という言葉の使い方にも問題がありました。
言葉を仕事にしている人間としては、褒められたものではないでしょう。
でも、「言葉を誤用している(たぶんわざとではなく)」=「捏造ジャーナリスト」「上杉隆と同じ!」というのはあんまりです。
堀潤さんはtwitter上での言葉の誤用については、きちんと訂正なり、謝罪すべきだと思います。
しかしながら、それ以上の「悪事」や「捏造」は、行っていません(少なくとも、いま判明しているソースに、それを証明するものはありません)。
あれこれ言い訳しちゃうから、かえってこじれちゃうタイプなんだろうな、堀潤さんって。


そもそも、「○○と同じ!」という「以前問題を起こした人と同一視させるレッテル貼り」というのは、ネット上ではよくみられる「燃料投下」の一手法なんですよね。
堀潤に騙されるな!」っていう人の「まとめ」や「コメント」だけを読んで、ソースを検証もせず、「日頃気に入らなかったヤツ」を叩く「ネットイナゴ」たち。
そのほうが、よっぽど、「捏造ジャーナリスト的」なのでは?


おかげで有料動画を観るために、630円払っちゃったよまったく……
もしかしたら、僕は「炎上マーケット」にやられちゃったのかもしれませんね。
まあ、それならそれでもしょうがない。
他人の尻馬に乗って、誰かを叩くだけの人間にならないためのコストとしては、安いものです。
(でも、本当は堀潤さんは、あの動画だけでも無料公開したら良いのではないか、とは思います。誤解を解くために)


「出る杭を打つ」のは、楽しいかもしれないけどさ、快楽のために理性を捨ててしまうのって、みなさんが大嫌いな「マスゴミ」という人たちと、同じ、あるいはそれ以下ではないのかな。


いちおう、「当事者」おふたりのtwitterをリンクしておきますね(さきほどの番組の内容については、堀さん自身もtwitterで説明されています)。
こちらが堀潤さんのtwitter
こちらが『WEDGE』の担当編集者、大江紀洋さんのtwitter