琥珀色の戯言

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【読書感想】「日常の偶然」の確率 ☆☆☆☆


「日常の偶然」の確率―あなたが本当の父親じゃない可能性から犯罪の遭遇率まで数字にしてみた

「日常の偶然」の確率―あなたが本当の父親じゃない可能性から犯罪の遭遇率まで数字にしてみた

内容紹介
父親父親じゃなかった確率27分の1。
タコがサッカーの勝敗を当てる確率256分の1……。
偶然なのか運命なのか、金銭問題から健康、スポーツ、ギャンブルまで、「あなたの確率」出してみました。
あなたの幸運度、はかります。

世の中のさまざまな「確率」を算出している本。
計算式が明示されているわけでもなく、イギリス在住の著者の邦訳なので、「ちょっと日本とは違うな」と思うところもありますし、「こういう何の役に立つんだか、よくわからないデータを知るのが好きな人間」以外には、「だから何?」って言われてしまいそうです。
個々の事例について、「なぜそういうデータになるのか?」について、そんなに深い考察がなされているわけでもありませんしね。


でもまあ、これを読んでいると、「そうなのか……」と思うところがたくさんあるのも事実です。

 イギリスでは、リバプールジョン・ムーアズ大学による2005年の研究で、父親が実際の父親ではないケースは人口の3.7%に該当するという推定値が示された。つまり、男性の27人に1人が、本当の父親でないのに父親だと思っているということだ。アメリカのオクラホマ大学がその後に実施した研究でも、3.85%という似たような値が示されている。親権争いのためにDNA検査が行われた場合、この数値は3人に1人に上がる。本当のことを隠している母親がいかに多いかがわかるデータだ。

この数字について考えてみると、DNA検査が行われるような事例では、「遺伝学上の父親が違う率」は跳ね上がるということで、疑われるにはそれなりの根拠がある、ということではあります。
しかしながら、逆に言えば、DNA検査が求められるようなケースでも、3人に2人は遺伝的にも自分の子どもである、とも言えるわけで。
父親は、子どもが本当に自分の子どもであるかわからない」なんて言われますが、まあ、なんというか実に微妙な数字ではありますよね、4%弱っていうのは。


なかには、「なんでこんな結果になるんだろう?」というようなもの(「ホールインワンは金曜日に出やすく、日曜日に最も出にくい」など)もありますし、犯罪や災害に遭う確率という、けっこう物騒なものも紹介されています。
この統計をみてみると、「いかにも危険そうなものにはみんな近づかないし、安全対策が行われているので意外と死ぬ人は少ない」ということも多いようです。


この本では、「1人のアメリカ人が、病気や事故で死ぬ確率」が紹介されています。

・心臓病 5分の1
・交通事故 100分の1
・自殺 121分の1
・銃殺 325分の1
・溺死 9000分の1
・飛行機の墜落 2万分の1
・洪水 3万分の1
地震 13万2000分の1
・隕石の衝突 50万分の1
・落ちたココナツに当たる 65万分の1

アメリカでは、地震で命を落とす確率というのは、落ちたココナツに当たって死ぬ確率の、わずか(?)5倍なんですね。
日本とは違うところもありますが、先進国においては、自然災害や事故、犯罪で死ぬよりは、病気で死ぬリスクのほうがはるかに高くなっています。
自然災害への備えも大切ですが、自分自身の健康管理も、同じように、あるいはそれ以上に重要だと言えそうです。


ちなみに、「いちばん人間を死に至らしめている生物」は、何だか御存知でしょうか?
ヘビ、ハチ、トラ、クマ、サメ……などと想像していたのですが、ナンバーワンは「蚊」なのだそうです。

 実際、あらゆる生物のなかで最も多くの人の命を奪っているのは、蚊だ。マラリアデング熱といった感染症を媒介して、年間で100万人から300万人の人々を死なせている。

「生物に襲われて命を落とす確率」は、蚊が100分の1、ヘビが1500分の1、ハチが5万分の1、トラが20万分の1、サメ、クマは1000万分の1らしいです。
まあ、日本では「蚊が媒介する感染症にかかって死ぬ」確率は、ほとんどないので、それだけでもかなり安全な国だと言えそうではあります。


この本、後半では、かなり遊んでいるというか、「トンデモ系」のデータも紹介されています。

 1998年の調査によれば、宇宙人に誘拐された経験があると答えたアメリカ人は、何と500人に1人もいるそうだ。
 この調査は1991年に全米発見科学研究所(NIDS)によって初めて実施された。1998年に実施した「異常な個人的体験」の調査では、宇宙人による誘拐を示すとみられる経験があるかどうかを6000人を対象に調べた。回答者は次の5つのうち4つの経験をしたことが2回以上あれば、誘拐された可能性があると分類される。

1.麻痺した状態で目を覚まし、誰かが部屋にいるのを感じる。
2.時間感覚を失う。
3.空中を飛んでいる感覚がある。
4.光の球を見る。
5.異常な傷が体にできている。

 調査の結果、5つすべての経験をしたと回答した人は、全体の0.2%もいることがわかった!
 宇宙人による誘拐は、何もアメリカ人だけが標的になるわけではないし、ネブラスカ州の人気のない道路だけで起こるわけでもない。そのことはUFO研究者のあいだで一般的に受け入れられた見解であり、実際のところ、世界中で起きていると考えられている。つまり、NIDSの調査を信じるとすれば、世界の人々の0.2%が生涯のうちに1度以上、宇宙人に誘拐された経験があるということだ。

まあ、著者も本気でそう思っているというよりは、こんな「データ」もあるんですよ、という与太話として紹介しているのですけどね。
世の中には「宇宙人に誘拐されたい人」っていうのが、案外たくさんいるのかもしれません。


この本、読んですぐに何かの役に立つというわけでもないのですが、「人間って、ほとんど自分の身には起こる可能性がないことについて、けっこう心配しがちなのだなあ」ということはよくわかります。
その一方で、「まず起こらないことを、期待してもいる」のです。


万人向け、ではありませんが、こういうのが好きな人にはたまらない一冊だと思います。

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