琥珀色の戯言

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【読書感想】私の名前は、高城剛。住所不定、職業不明 ☆☆☆☆


私の名前は、高城剛。住所不定、職業不明

私の名前は、高城剛。住所不定、職業不明


Kindle版もあります。現在450円(紙の本は1260円)。

私の名前は高城 剛。住所不定、職業不明。

私の名前は高城 剛。住所不定、職業不明。

内容紹介
「僕も含めて、みんな自分のことを意外と分かっていない。世の中がグチャグチャになっている今こそ、『自分』を向き合うことが一番重要だ」。仕事を初めて20年、中間地点を迎えたいま、自分の地図を見直すことで、これからの方向性が見直したい! 公私ともにいま最注目のキーパースン・高城剛は今何を考え、どこに向かおうとしているのか? Q、発想法は?Q、好きな店は?Q、収入は?Q、良いアイデアとは?Q、リラックス法は?Q、未来はどうなる?Q、日本の問題点は?Q、愛とは?Q、離婚騒動は?彼のすべてがわかる144のQ&A


 高城剛さんといえば、僕の中では「沢尻エリカさんと結婚して、振り回されっぱなしの、何やっているのかよくわからない怪しげなオッサン」だったんですよね。
 この本も書店でずっと見かけていたのですが、手に取ろうとも思わず。
 『週刊アスキー』の対談連載『え、それってどういうこと?』のホスト役もされており、「そんなにヘンなところばっかりでもないのかな」とも感じてはいたのですが、やっぱり「沢尻騒動」のイメージが強いんだよなあ。
 「ハイパーメディアクリエーター」って、「小学生が考えた、ヒーローの新しい必殺技かよ!」とか、つい言いたくなってしまうし。


 そんな高城さんが2011年に上梓されたこの本、先日、Kindleで199円で売られていたので読みました。
 たぶん、199円じゃなかったら、買うことはなかったと思います。
 これを書いている時点では、450円。
 なかなか普通の人にできる生き方じゃないと思うし、「カッコつけちゃって!」と苛立ってしまうようなところもあるのですが、「こんな人がいまの日本にいるのか……」と、ちょっと驚きましたし、高城さんの生き方というのは、たしかに魅力的で、言っていることに納得できる面も多々あるんですよね。
 スタバにノートパソコンを持ち込んで、店員さんや周囲の客に白眼視されながらブログを書いているだけで「ノマドだ!」なんて誇らしげに語っている人たちの話を読むよりは、高城さんの言葉のほうが、よっぽど「異端」で、刺激的です。
 どうせだったら、このくらい突き抜けた人のほうが面白い、とは思うよ。
 あまりにも異質すぎて、実在の人物とは信じられないような気もするのですが。


 この本は、高城さんへのQ&Aで、構成されています。
 ライフスタイルや、若い頃からの仕事の変遷についてなど、多岐にわたる質問への答えから、高城さんの考え方、生き方の一端がみえてくるのです。

Q2 どちらにお住まいですか?


A 常に移動して暮らしています。カッコよく言えば、ポジティブな住所不定か旅人。一般的に言えば、ただの住所不定です。
 ただ、ベースキャンプのような場所はあり、2008年はロンドンのナイツブリッジ、2009年はバルセロナのボルン地区、2010年初頭はオーストラリアのバイロンベイをベースにし、半年以上はそれ以外の場所を回っています。バルセロナが楽しかったので、またベースにしています。

 ちなみに定住することのメリットのひとつについて、高城さんはこんな話もされています。

 実際、つい最近も突然、理不尽な圧力が僕に押し寄せました。そのような圧力に対抗するには、正面から対抗せずにほっておくのが良い手だてだと考えています。もし、僕が東京で大きな会社を経営し、それなりの邸宅に住んでいたら、動くこともできずにメディアスクラムに押しつぶされて、きっとこの本も出なかったことでしょう。今回の件でもおわかりのように、定住しないことが現代的ピンチを切り抜ける良い手だてのひとつであるのは、間違いありません。

 高城さんは直接言及されていはいませんが、この「理不尽な圧力」というのは、沢尻エリカさんとの結婚、そして離婚騒動のことだと思われます。
 あの一連の報道で、「高城剛という人は、世界中を飛び回っている怪しい人」のようなイメージを植え付けられてしまったようにみえるのですが、たしかに、もし高城さんがずっと東京にいれば、メディアの取材攻勢で、もっと傷つけられていたはずです。
 逆にいえば、相手が海外に住んでいるという理由だけで、わざわざ追いかけて直接取材しなくても良い、と各メディアが判断するくらいの「スキャンダル」で、多くの人が傷つけられてきた、ということでもあります。
 高城さんの立場からすれば、「日本に定住していなかったことで、めんどうなことを避けられた」のは事実なんですよね。


 高城さんの仕事についても、僕はこの本ではじめて知ったことが多いのですが(それこそ、『週刊アスキー』での対談くらいしか知らなかったので)、ニューヨークのグランドセントラル駅のクリスマスツリーを作ったり、映像作家として「東京オリンピック2016の招致映像の監督」もされていたそうです。
 口だけじゃなくて、世界各地で、すごい仕事をしている人なんですね。


 そしてこの人は、時代を見る目、みたいなものも持っている。

 ちなみに、いまカッコいいブランドはアップルで、CEOのスティーブ・ジョブズは、いつも同じ格好をしています。いつも同じ格好をしているほうが、カッコいい時代になったわけです。というか、デザインなどの見た目重視の時代は過ぎたということです。ファッションそのものは好きなんですが、いまやデザインではなく、あたらしい提案をしなければならない時代なんだと感じます。デザイン重視の時代は、終わったのです。


(中略)


 いまの時代は、作り手の顔が見えることが実は最大のリラックスで、とても大事なのです。あらゆるモノに言えますが、作り手が見えない商品は、あまりリラックスできないと思います。

 これは2011年に書かれたものなので、現在も高城さんが同じ考えなのかはわかりませんが、ジョブズをみて「いつも同じ格好をしているほうが、カッコいい時代になった」と、こういう人は感じるのだなあ、と。
 僕などは「あまり服装にこだわらない人なのかなあ」とか「アイコンとして自分をアピールするために、同じ格好をしているのかなあ」と考えてしまうのですが、シンプルに「そのほうがカッコいい時代になった」というのは、なかなか見極められるものではないはず。
 いやほんと、この本を読んでいると「ついていけない」というのと「煙にまかれるというか、スゴい人なのかもしれないなあ」というのが半々、なんですよ。
 でも、たしかに「面白い人」だとは思います。

Q51 日本人の抱えている問題点とは?


A 「まじめに」と「楽しく」が反対語であることが日本人の問題のひとつではないか、とずっと思っています。そのふたつの要素は共存可能なのに。あとは、無意味な完璧主義。ちょっとでもダメなら、その人もモノもすべてダメ。完璧な人間はいないので、結局全員ダメ。完璧でないと、すぐにイライラするので、雰囲気が悪くなる。完璧なものはないから、すべて雰囲気が悪くなる。自分も完璧じゃないから、「足りてない」と感じ、被害妄想になる。だから家から出られなくなる。
 もうちょっと、外でリラックスして楽しくやったほうが、うまくいくと思います。皆、島人なんだから。


 読んでいて、イラッとするところは、たくさんあるんですよ。
「そんなの、あなただからできるんだろ!」って。
 でも、だからこそ、こういう人の話に耳を傾けてみるのは、大事なことなのかもしれないな、という気がするのです。
 もしこれを読んで、興味を持ったら、ちょっとだけ書店で立ち読みでもしてみてください。
 けっこう「刺激」になりますよ。

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