琥珀色の戯言

【読書感想】と【映画感想】のブログです。

【読書感想】神主さんの日常 ☆☆☆


内容紹介
神主さんって普段、何やってるんですか?


知っているようで知らない神社の常識から神主さんの知られざる秘密(!?)までを描く、コミックエッセイ!
協力:埼玉県神社庁秩父三峯神社

僕が住んでいるところからは、太宰府天満宮が比較的近いので、年に何回かは訪れています。
先日は、息子の七五三で参拝したのですが、そこではじめて家族で境内に上がり、お祓いをしていただきました。
千歳飴などの「お土産」もついて、5000円。
他にも、七五三の子どもと親たちが大勢来ていたのですが、太宰府天満宮のような大きな神社だと、神主さんや巫女さんがたくさんいるんですよね。
巫女さんは、お正月などにアルバイトで学生たちがやっている、というのをよく聞くのですが、神主さんには、どうやったらなれるのか?
世襲だったり、「今日から神主!」と自称すればなれるの?
それとも、「資格」みたいなものがあるの?


このコミックエッセイは、そういう「ちょっと気になるんだけど、なかなか確認する手段もないし、一生懸命調べるほど切迫してもいない疑問」にこたえてくれます。
何かの役に立つの?って問われると、ちょっと困ってしまうのですけど。

神職になるためには資格を必要とします。
階位を取得する為には神職養成機関で必要単位を修得するなどした上で、必要な神務実習を終了しなければなりません。


神職養成機関とは、神社本庁包括下神社の神職として任用されるのに必要な階位を取得するための教育施設です。


「養成機関?」


つまりは神道学科のある大学のことです。
日本で神道学科のある大学は、
國學院大學(東京)と皇學館大学(三重)の二大学のみ。


「じゃあ神主さんになるには、どっちかの大学を出なきゃなれないんですか?」


いや? 他の神職養成講習会(1ヵ月程度)に参加するとか、全国に数校ある神職養成所に通う(2年間)って方法もあるよ。


でも、社家の人に比べると、一般から目指すには努力が必要ですよ―――

なるほど、神主さんになるには「資格」が必要なんですね。
しかも、神職のなかにも「階位」というランク付けがあり、大きな神社で重要な地位につくには、高い階位が必要となるそうです。
ちなみに、大学の神道学科って、「指定実習」というのがあって、祭礼の準備や滝行なども大きな神社で「実習」するそうですよ。


その他にも、「お守りを複数個持っていたら、神様どうしがケンカするって、本当?」とか、「神主さんと巫女さんが結婚することってあるの?」とか、専門的なところからちょっとゴシップ的な話まで、けっこうさまざまな話が出てきます。


意外だったのは、おみくじのランキング。
この本で取材した神主さんによると、十二段階になっている場合は、

大吉>中吉>小吉>吉>半吉>末吉>末小吉>凶>小凶>半凶>末凶>大凶

の順番なのだそうです。
前に聞いた話では、大吉>吉>中吉>小吉>末吉、だったんですよね。
「吉」と逆と考えれば、末凶>凶なのでは……とか思いますし。
僕自身は「半吉」とか「末凶」とかは見かけたこともないので、各神社によって内容は異なるのだと思われますが。


僕が神社で見かける「神主さん」って、お祓いとかをしている姿以外は、あまり印象に残っておらず、「ふだんは何をやっているんだろうなあ」なんて思っていたのですが、毎日、バックヤードで、日常的な祭礼を行っているそうです。
まあ、見えないところだと、いくらでもサボれそうな気もするのですが、実際はそんなにラクな仕事ではないみたい。
この本で取材した神主さんは、毎朝4時半起床だそうですよ!
それだけで、僕にはちょっとムリだな、この仕事は……


これを読むと、初詣で見かける「神主さん」の「中の人」が、ちょっと見えてくるような気がします。
あんまり透けて見えすぎないほうがいい仕事なのかもしれませんけど。

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