琥珀色の戯言

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トランスフォーマー/ロストエイジ ☆☆☆



ディセプティコンとの激戦から4年。発明家のケイド(マーク・ウォールバーグ)はかなり安い値段でトラックを手に入れるが、それは何とオプティマスだった。そこへオプティマスらトランスフォーマーを取り締まる政府の秘密機関KSIが登場。ケイドと家族はKSIに抗いピンチになるも、オプティマスに助けられる。そのころ、新しいディセプティコン、ロックダウンが地球に出現。さらにはダイナボットも復活し、オプティマスは捕まってしまう。

参考リンク(1):映画『トランスフォーマー/ロストエイジ』公式サイト


 2014年29本目の劇場での鑑賞作品。
 お盆の翌週の平日のレイトショーで鑑賞。
 3D版。観客は10人くらいでした。


参考リンク(2):町山智浩が語る トランスフォーマー/ロストエイジが映画界に与えた衝撃(miyearnZZ Labo)


 この作品、中国のスポンサー絡みの、かなり不自然なシーンが散見される、と町山さんの話で知っていたのですが、実際に観てみると、たしかに「なんかちょっと唐突で、前後のつながりがないシーン」が、とくに映画の後半での中国で撮影された部分にありました。
 しかしながら、「知らずに観たら、『今のは何だったのだろう?』と、数秒間思うくらいの不自然さ」で、著しく流れを悪くしている、というほどでもありませんでした。
 撮影する側も、プロとして、「物語の流れが悪くなり、観客があからさまに不愉快になるような広告のための演出」はギリギリのところで避けようとしたのだと思われます。
「目立ちすぎては、映画の世界観がぶち壊し」だし、「ある程度は目立たないと広告にならない」のですから、そのバランスはけっこう難しかったはず。
 参考リンク(2)によると、かなりの「広告代」を取っているようですし。


 ちなみに、この町山さんの話には、ストーリーに関するネタバレ的なところも一部含まれてはいるのですが、この予備知識があると「映画の未来と広告について」考えながら、『トランスフォーマー/ロストエイジ』を観ることができます。
 知らずに観ると「なんじゃこの不自然なシーンは……」というのも、あらかじめ構えておくと、「あっ、露骨な広告、出たー!」という楽しみかた(?)ができるのです。
 僕は「たしかにこれは酷いといえば酷いけど、不愉快極まりない、というレベルにはならないくらいに抑制されていて、案外普通の映画だな」とか、思ってしまいました。
 内心「なんじゃこの中国企業の宣伝映画みたいなのは!」と言えるような「黒い期待」もしていたんですけど。
 いくら宣伝に力を入れたり、中国が大々的に採りあげられていても、つまらない映画だと、さすがにここまではヒットしないでしょうしね。
 正直、このくらいの「不自然な宣伝」なら、『STAND BY ME ドラえもん』に頻出する『TOYOTA』『Panasonic』の看板よりマシなんじゃなかろうか。
 この映画の最初のほうに「最近の映画は続編やリメイクばっかりだ!」と登場人物が嘆くセリフがあって、「この映画でそれを言うか!」と、僕は失笑してしまったのですが、マイケル・ベイ監督をはじめとするスタッフも自覚しつつ、この映画をつくっているんですよ、というサインだったのでしょう。


 ここまで広告を入れて赤字のリスクを極力減らしておかないと、制作費がかかる超大作なんて作れない、というのが、いまの映画界が置かれている状況でもあるのです。
 近い将来、「無料で観られるけれど、広告だらけの映画」とかも出てくるんじゃないかなあ。
 

 『トランスフォーマー』って、もともと大真面目に観るタイプの映画じゃなくて、くだけているというか、笑いどころもある作品なのです。
 毎回観るたびに、人間に裏切られたり邪険に扱われたりしながらも、最後はやっぱり人間を助けてしまうオプティマス・プライムって、まるでDV男に振り回される女の子みたいだな、とか思ってしまいます。
 ほんと、いつもすまないねえ、オプティマス。


 それにしても、この内容で3時間近くは、やっぱり長い。3D版を観たこともあり、けっこう疲れてしまいました。上映時間は、2時間くらいにしてほしかった。
 『トランスフォーマー』シリーズって、毎回同じようなストーリーだし。
 でも、「夏休みにあまりあれこれ考えずにアトラクション感覚で観る映画」としては、(長さを除けば)このくらいが「適切」なのでしょうね。
 公式サイトの予告でも「3Dアトラクション!」って言ってるし。
 面白すぎることもなく、シリアスすぎることもなく、悪いヤツらは、ちゃんと悪い。

 
『マーニー』『ドラえもん』『るろうに剣心』『ホットロード』とライバルたちを並べてみると、「家族で観に行って、最大公約数的にみんなが楽しめる映画」として、こういう作品が選ばれるというのもわかります。
 わかるだけに、なんだかちょっと寂しい、そんな感じもするのです。
「普通に面白い映画」なんですけどね、本当に。