琥珀色の戯言

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【読書感想】多眼思考 ~モノゴトの見方を変える300の言葉! ☆☆☆☆


多眼思考 ~モノゴトの見方を変える300の言葉! ~

多眼思考 ~モノゴトの見方を変える300の言葉! ~


Kindle版もあります。

多眼思考

多眼思考

内容紹介
◎5年後にどこで何してるかわかっちゃうような人生はまっぴらごめん。
◎すごい人に会って憧れているようでは話にならない。悔しがらないと。
◎ITとかいくら進歩しても、「通勤」をなくせないようではアカンやろ、と思う。
◎「少子化大臣には女を任命しなくちゃ」と思ってる限り、子供は増えません。
◎人生の時間を、できる限り、売りたくない。
◎世界が変わるのを待つより、自分が変わったほうが早いですよ。


政治から経済、人生から家族、趣味から犯罪についてまで、ありとあらゆる分野についての考察。
140字でこれだけのことが伝えられるなんて! 極めて濃密な「140字の思考と思想の本」。


文章だけで勝負して12万フォロワーのいる著者の2万7千のツイートの中から300を厳選。
言葉の強さ・鋭さにぐっときます!


未来のあんたはなにひとつ後悔しない――
痛快! 爽快! ゆかい! 世の中ってこーだったのか!
社会派ブロガーが、オリジナル視点で見つめた、思考と思想の本。
1 生きること
2 働くこと
3 社会
4 高齢化と少子化と男と女
5 ゆるく考えよう
6 ビジネス
7 ぐろーばりぜーしょん
8 自立&未来へ


「有名人のツイートをまとめた本」というのは、「手抜き感」が拭えない場合が多いのですが、この本はなかなか面白かった。
 僕の場合、字数制限がないと、突っ込まれるのが怖くて、あれこれと「例外に対する配慮」をして、まわりくどくなってしまったり、主張の勢いが弱まってしまうのですが、ちきりんさんは、「140字制限」だからこそ言い切ってしまうことを意識しているのだなあ、と。


 人気ブロガーであり、その一方で、アンチも多数抱えながらネットで活動しているというのは、ときにめんどくさいこともあると思われるのですが、ちきりんさんって、「アンチを説得する」時間があれば、「フォロワーを引っ張っていく」ために使う人なのでしょうね。


 この本は、著者のツイートが大部分を占めていて、それに対する「後日談」のような解説は極力省かれています。
 必要最低限の、背景や用語の補足に、あえてとどめられているのです。
 ですから、「ちきりん」という人を知らないと、ちょっとわかりにくいかもしれません。
 先入観がないほうが、かえってハマる可能性もあるのかな。


 ちきりんさんは、冒頭にこんなことを書かれています。

ツイッターでの呟きをまとめた本を出す、ことに対して、友人から「本に書くネタがなくなったんですか?」という反応があった、という話のあとで)


 でも私は、それとは異なるツイッターのおもしろい効果にも注目していました。それは、特定の人のツイートを長期間にわたって読んでいると、日常の何気ない呟きの合間から、その人に固有の考え方や、寄って立つところの信念のようなものが、キレイに浮かび上がってくるということです。


 この本の内容のほとんどは、ちきりんさんの「ツイート」なんですよ。
 でも、通して読んでいて感じたのは、これまでの著書以上に「人間・ちきりん」が浮き彫りにされているな、ということだったのです。

 あたしは女性だという理由で日本の一流大企業のほぼすべてから門前払いされた。そのことを心からラッキーに思う。もし男だったらああいう企業に入れていて、今頃、プチ引退なんて絶対できていなかった。まだ毎朝、通勤ラッシュにもまれていたと思う。

 このツイートを読むと、「女性であること」を理由に、門前払いをされた、能力とやる気のある女性の挫折感が伝わってくるんですよ。
 そして、その挫折を乗り越えてきたのだけれど、「就職差別」への憤りは、たぶん、ずっと心のなかにあるのだろうな、と。
「男だから」「女だから」というのも超えて、「会社や組織に頼って生きること」への絶望が、ちきりんという人のルーツにあるのではないだろうか。
 ちきりんさんって、著書のなかでは、そういう「自分の中の刺」みたいなものを、丁寧に抜いて読者に供していたと思います。
 でも、この本は、ツイートをそのまま掲載したものなので、刺がまだ残っている部分が散見されるのです。
 僕はむしろ、そういう「人間的な怨念」みたいなところに、ちょっと惹かれました。
 なんだか、「安全圏」から解説されているような気分になるのが、ちきりんさんへの反発のひとつの理由だと思うのだけれど、ツイートには、肉声みたいなものが少しずつ漏れ出しているのだよなあ。

 あたしのブログでは、「世の中は理不尽で、決して平等なんかではないけれど、だからこそ他人を妬まず、自分の持っているカードでいかに楽しく生きるかを考えましょう!」ってことを伝えたい。


「世の中は平等ではない」ことを前提に、「自分のカードを活かして、いかに楽しく生きるか」。
結局のところ、これがちきりんさんの「思想」であり、「自分のマネをしろ」と言っているわけではないのです。
 他人の言葉を鵜呑みにする、あるいは、ひたすら揚げ足をとるだけの人生は、つまんないよ、そういうことなのではないかと。
 

 この本に載せられているツイートのなかで、僕はこれがいちばん印象的でした。

 大事なのは「個」なのよ。「全体」ではないんです。


 池上彰さんが、月刊誌『世界』(岩波書店)の2014年12月号で、

 今回、一番私が違和感を覚えるのは、「国益を損なった」という言い方です。極端な言い方をすれば、メディアが「国益」と言い始めたらおしまいだと思います。

 と仰っていました。


 ネットを含む、いまの世の中では「国益」「公益」を振りかざし、個人叩きをする人が少なくありません。
 でも、「国益」とは何なのだろう?


 僕も「みんなのために、個人個人がガマンしなければならないところ」があるのは承知しています。
 税金を取られることとか、ね。
 でも、「全体のためになら、個人がどんなに犠牲になっても構わない」という人々の意見を聞くたびに、
「この人にとっての『個人』は、つねに『他人』なんだろうな」と思ってしまうのです。
 そもそも、「全体」というのは、「なるべく個人を幸せにするための存在」ではないのか、いや、そうであってほしい。


 かなり、「ちきりんファン向け」というか、「ちきりん嫌いの人が、読んで好きになる」ような本ではないのですが、僕はけっこう楽しめました。

 20代は誰でも成長できる。30代でも多くの人が成長できる。でも40代で成長できる人はごく限られている。多くの人が30代で終わってしまう。


 大変身につまされる言葉ですが、僕も、もう少しがんばってみます。



自分のアタマで考えよう

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