琥珀色の戯言

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【読書感想】北欧女子オーサが見つけた日本の不思議 ☆☆☆☆



Kindle版もあります。

内容紹介
アメブロ総合ランキング第1位の超人気ブログ4コマが早くも書籍化!
日本のアニメと漫画に感動し、北欧スウェーデンからやってきて3年目。
マンガ好き外国人にとっては天国みたいな東京! コンビニのおにぎりが便利すぎる! 日本の女子が何でも「可愛い」と言うのはなぜ? ホストの髪型はアニメみたいで素敵! 日傘を使うようになったら私も立派な日本人!?
ちょっとオタクなスウェーデン人漫画家が自ら描く、日本への愛にあふれた驚き&爆笑のコミックエッセイ!


 こういう「異文化交流本」って、これまでもけっこうたくさんあったんですよね。
 スウェーデンから来たマンガ家の若い女性が書いたコミックエッセイ、しかも、日本に憧れるようになった理由が13歳のときに観た『セーラームーン』だったということで、ものすごくマニアックな話ばかりなのかな、と思いきや、外国人が日本で生活して、見たこと、感じたことが、飾り気なく描かれていて、すごく感じの良い本でした。
 こういう本って、とくに日本人が描いた「海外生活エッセイ」って、「文化や考え方の比較」とか、「だから日本はダメなんだ」あるいは「だから日本のほうが良いんだ」っていう内容になりがちです。
 ところが、著者のオーサさんは、日本とスウェーデンの「違い」を痛感しながらも、「それがこの国の流儀だから」と、順応し、受け容れようとしてくれているのです。
 どちらが正しいとか間違っているとかじゃなくて、しっくりこないこともあるけれど、それはそういうものなのだ、と。

 
 スウェーデン人は何かを決めるときに「ジャンケン」よりも「くじ(スティック)を引く」そうで、日本の「勝負がつくまで高速でジャンケンを続けるのについていけない」という話など、すごく印象的でした。
 「文化の比較」という大上段からの視点ではなくて、日常生活のなかで、気づいたことが、細やかに綴られているんですよね。
 「コンビニおにぎりのパッケージの開け方に気づくのに半年間もかかって、それまでは強引に袋を破っていた」とか。
 誰か教えてあげてよ!って思うけど、パッケージに番号も書いてあるけれど、「外国人は便利さに慣れていないので、便利さがあっても気づかない」っていうのは、わかるような気がします。
 日本は「便利さ」に溢れているのに、「便利さをわかりやすく説明する」ことに、まだ未熟なのかもしれませんね。


 オーサさんが「箸渡し」をしてしまって、周囲の人たちがドン引きする、というエピソードもあるのですが、最近の日本人って、縁起とか、古来の慣習にこだわりがなさそうな人って、けっこう多いじゃないですか。
 でも、こだわりのないはずの若者たちが、声をそろえて「箸渡しは絶対にダメ!」って、言うんですよね。
 それはそれで、なんだかとても不思議な気がします。
「火葬のあとにやることだから」と言っても、箸をそんなふうに使ったからといって、人が死ぬと本気で信じている人はいないはずなのに。


 スウェーデンで漫画家・イラストレーターとして数年間も仕事をしていたとのことで、プロとしてのプライドもあるはずなのに、日本で学生からの再スタートを選ぶなんて、すごい。
 このコミックエッセイの絵も字も、けっして「ものすごくうまい」わけじゃないけれど、真摯さみたいなものが伝わってきます。
 こういう人に愛される日本という国も、捨てたもんじゃないな、と。
 経済的、政治的に「弱体化」が叫ばれる国ではあるのですが、日本発のマンガやアニメなどのコンテンツは、世界の人たちに大きな影響を与え続けていて、これは集団的自衛権とは違う形での「日本の力」なのだろうな、とちょっと嬉しくなりました。


 それにしても、スウェーデンという国のこと、知っているようで、本当に何も知らないよなあ。
 福祉とIKEAの国、って感じだもの、僕にとっては。

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