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琥珀色の戯言

【読書感想】【映画感想】のブログです。2016年8月より、『はてなブログ』に移行しました。

HERO(2015) ☆☆☆☆

映画



あらすじ
パーティーコンパニオンの女性が、ネウストリア公国大使館付近の路上で交通事故に遭い死亡する事故が発生。捜査にあたる東京地検城西支部の久利生公平検事(木村拓哉)と事務官の麻木千佳(北川景子)は、大使館と事故は関係があるのではないかと考える。事故当時の状況を大使館員から聞こうとするが、大使館には日本の司法が及ばない治外法権があることから捜査は一向に進まない。諦めずに大使館に詰め寄る久利生だが、それが日本とネウストリア公国の外交にも影響を与え、外務省からの圧力も受けるようになり……。

参考リンク:映画『HERO』公式サイト


2015年19作目。
月曜日の夕方の回を観賞しました。
観客は10人。若い人から、僕よりちょっと年長の人まで。


前夜が当直で、もしかしたら寝落ちしてしまうのでは……と心配していましたが、無事完走、というか、観ている間は、大興奮するような場面もなかったのですが、退屈もせず。
観終えての感想は、「ああ、『HERO』だったな」。


(1)事件発生
(2)なんらかの障害があって、みんなが諦めムードのなか、一人諦めない久利生(+事務官)
(3)圧力をかけられながらも、めげない久利生。
(4)少しずつ周りがサポートしはじめ、新事実も発覚し、事態が動き出す。
(5)事件が解決し、大団円。やっぱり久利生さんはすごい!


 一部の「久利生と直接関係のない、ものすごく偉い人」以外は、みんな最後には「実はいい人だった」になってしまう、まさに王道の『HERO』でした。


 いや、それが悪いって言ってるんじゃなくて、制作側は、映画館で夏休みに『HERO』を観る人たちが求めているものを、よくわかっているのだな、と。
 斬新なものとか、観客を裏切る展開よりも、みんなが気持ち良くシネコンを出られるような、予定調和。
 雨宮さんがいきなりターミネーターになって襲ってくるような映画は、誰も求めていないわけで。
 

 今回の最大の見どころは、松たか子さんが新メンバーのなかに復帰(?)してきたことでした。
 もう麻木(北川景子)さんが「いまの俺のパートナー」になってしまっているはずなのに、ここで雨宮舞子が帰ってくるとは……
 どんな感じで久利生と再会するのか、というのは、もしかしたら、この映画最大の見どころかもしれません。
 そして、ふたりの関係はどうなるのか?
 やけぼっくいに、火はつくのか?


 おそらく、2014年版『HERO』のメンバーだけだと、映画の「スペシャル感」に欠けるということで、松たか子さん復活、というシナリオになったのだと思うのですが、前回の『HERO』が「韓国ロケ」に「イ・ビョンホンの出演」と、かなりお金をかけていたのに比べると、あんまりお金なかったのかな、フジテレビ……とか、ちょっと勘ぐりたくなります(最後まで観ると、局所的には使っているようなのですが、なんかコストパフォーマンス悪いんじゃない?)


 で、今回は、雨宮と麻木が久利生をめぐっての壮絶なバトルを!
 ……ということも、ほとんどなく。
 観ていて思うのは、2014年度版の事務官・麻木というのは、前までのシリーズの雨宮舞子のキャラクターをそのまま受け継いだようなキャラクターなのだ、ということです。
 つまり、この映画のように、麻木、雨宮が「並存」してしまうと、「キャラ被ってるよ!」ということになってしまう。
 まるで、『逆転裁判4』の新主人公のような苦しい立場に置かれた麻木さんが、ちょっとかわいそう。
 みんなに「やっぱり成歩堂のほうがいい!」とか言われちゃってさ。


 今回は、映画でもあり、スペシャルゲストということもあって、雨宮がかなり強引に久利生と一緒にいることが多くなるのですが、オールドファンとしては、やはりこっちのほうが「しっくりくる」のは事実です。
 でも、「キムタクも松たか子も、もうそれなりの年齢だものなあ……キムタクも、ずっと久利生やってるのは、けっこう大変じゃないかなあ……」なんて、考えてしまうわけです。
 久利生は、もう40代半ばくらいになっているわけですし、雨宮とのことも、もうちょっとさっさとハッキリしてあげればよかったのに!とか、つい言いたくなる雨宮ファンの僕。
 ずっと久利生は久利生のまま、であるというのは、この作品の大前提なのかもしれないけれど、本人たちの見た目も、観客も、年をとっていくのです。
 正直「そろそろキツいかな……」とも思う。


 まさに「『HERO』の王道」に沿った内容であり、「映画は映画らしく!」みたいな「ガチ映画マニア」には目もくれない作品なのですが、日曜の夜に観る『サザエさん』のような、「そうそう、これが『HERO』だよね」という手堅い作品になっています。


「世の中そんなに甘くないよ!」と思うか、
「世の中そんなに甘くないから、せめて、映画の中では、「ちょっと甘い世の中」であってほしい」と思うか。
 僕は最近、後者なんですよね。
 現実の厳しさは、現実で味わえば良いのだから。


 個人的には、これを観ていて、仕事を終えたあとに、一緒にカウンターでおでん食べたりお酒を飲んくれたりして話し相手になってくれる事務官が欲しいなあ、と思いました。それがすごく羨ましかった。
 ほんと、秘書とか事務官とかがついてくれるような人生って、どんなのなんだろうなあ。


映画『HERO』(前作)の感想はこちらです(しかしなんで同じタイトルにするのかねえ。混乱するよ。『2』でよさそうなものなんだけど)。



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