琥珀色の戯言

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【読書感想】壇蜜日記2 ☆☆☆☆


壇蜜日記2 (文春文庫)

壇蜜日記2 (文春文庫)


Kindle版もあります。

壇蜜日記2 (文春文庫)

壇蜜日記2 (文春文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
風呂上がりのアイスだけが仕事の励み。可愛い後輩の女の子を見れば、妹だったら…と妄想し、トイレットペーパーの「8ロール入り」の豊富さに気持ちを高揚させる―そんな壇蜜的日常に驚愕の新展開!―「抱かれた」。しなやかな筆致で綴られる「蜜」な生活と意見。ますます冴え渡る、待望の日記第二弾。文庫オリジナル。


 あの『壇蜜日記』の続刊。
 僕は『壇蜜日記』を読んで、なんだかけっこう壇蜜さんのことが好きになってしまったのですが、そういう人は、少なくないのかもしれませんね。
 この『2』のなかには、「(『1』が)3万部も売れた」という記述がありますし。


 この『2』に関しては、率直に言うと、『1』ほどのインパクトはありません。
 『1』で壇蜜さんという人の考え方や、芸能界で生きている「壇蜜」というイメージとの向き合い方は吐露され尽くしているような印象もありますし。

 あきたこまちの懇親会へ。購買層の大多数が主婦なのにお前みたいなやつが宣伝して良いのか……なんて意見を聞くのだが、もし主婦にイケメンをあてがうという安易な発案で売れた米があるのならお聞かせ願いたい。選ばれたということは、今望みを託しても返してくれるヤツだと思われたからだろう。

 『1』よりは、この『2』のほうが、「齋藤支靜加という女性が、壇蜜と向き合って、自分の役割みたいなものにコミットしていく覚悟」が伝わってくるのです。
 それは、たぶんプラスの変化なのだろうけれど、僕自身にとっては『1』の宙ぶらりんのところが魅力でもあったような気がします。


 部屋で男性が料理をつくってくれた、という話の最後に、

 想像に任せるなんてイケてる芸能人みたいな事は言わないでおく。抱かれた。

 なんて書かれていると、なんだか「やられた!」って気分になってしまうのですけど。


 壇蜜さんの日記を読んでいると、その「死生観」みたいなものに、胸を突かれることがあるのです。
 壇蜜さんは、日常のなかに、「死の欠片」みたいなものを、探している。
 それは「死を思え」という教訓めいたものではなくて、「死がそこにあるという感覚が、自然に身についてしまっている」人のふるまいのように見えます。


 2014年9月1日に墓参をしたときの日記。

 曾祖父は可愛がってもらった記憶があるが祖父とは時間を共にしていない。昨年は父方の祖母が死に、今年は実家の飼い猫が死んだ。自分がすぐに死なないことを前提に生きるのは何と傲慢なことかと最近思うようになってきた。死なないのは偶然だった。母も私も大切な者が死んで居残りのように生きている時期があったじゃないか。


 「死なないのは偶然だった」
 そして、その「偶然」が、ずっと続くとは限らない。
 父方の祖母も、実家の猫も「失われた命」のひとつであることには変わりない。
 こういう感覚が「絵になる」人って、そんなにはいないのではないかなあ。
 

 で、こういう深淵を覗き込むような日があったかと思えば、こんな「めんどくさい日常の感覚」の日もある。

 トイレットペーパーの「8ロール入り」が豊富なドラッグストアを見ると、とたんに気持ちが昂揚する。どの8ロールを選んでもいいのだ。シングル、ダブル、香りつき、シャワートイレ専用などとにかく選び放題だ。シングルを選択しないと稼いでいい気になっていると思われるかもしれないが、自分の尻を拭くにはシングルではぬぐいきれないキタナサがあると思って遠慮しているだけだと釈明しておこう。どれだけ己が汚いものかはこう見えてよく分かっている……それでもついてきてくれる「うちの子達」がいることも、分かっている。


 壇蜜さん、いくらなんでも、「ダブル」のトイレットペーパーを買っているのを見ただけで、「壇蜜、ちょっと売れて調子に乗ってるんじゃない?」とか思う人はいないのでは……多分。
 でも、「物心ついたときからの芸能人」ではなく、29歳でグラビアデビューして、その後もさまざまなバッシングや好奇の目にさらされている壇蜜さんは、そんな「世間の目」が存在することを知っているかのようでもあります。
 ただ、この『2』では、「それでも応援してくれているファンへの感謝」も繰り返し語られているんですよね。


 正直なところ、僕は、この日記を読むためだけにでも、檀密さんには芸能界から消えないでほしい、と願っております。
 


壇蜜日記 (文春文庫 た 92-1)

壇蜜日記 (文春文庫 た 92-1)

壇蜜日記 (文春文庫)

壇蜜日記 (文春文庫)

僕の『壇密日記(1)』の感想はこちらです。
未読の方は、まず(1)から読むことをおすすめします。

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