琥珀色の戯言

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【読書感想】ファミコンクエスト ☆☆☆


ファミコンクエスト

ファミコンクエスト

内容紹介

いま再びファミコン探求の旅へ……

発売から30年以上経ついまなお根強い人気を誇るファミコン。なぜファミコンはこれほどまで長く愛され続けているのか。「月刊ゲームラボ」の人気連載を再編集し、あの熱狂の歴史を紐解く!


●第1章 ファミコンクロニクル
1983年のファミコン発売から、最後のソフトとなる「高橋名人の冒険島IV」がリリースされた1994年までの12年間を、各年代の代表的なタイトルとともに辿る。


●第2章 ファミコンジャンル
「アクション」「RPG」「シミュレーション」といった今や一般的となったゲームジャンルがファミコンというプラットフォームでどのように花開いたかを総まとめ。


●第3章 ファミコントピックス
「裏技」「ドット絵」「連打」「パスワードコンティニュー」などファミコンによって定着した数々の文化を、当時の現象やムーブメントにスポットを当てつつプレイバック。


●特別企画 ファミコン ジ・アフター
新作タイトルが発売されなくなった1995年以降の「その後のファミコン」をピックアップ。
ファミコンブーム終息後のゲームメーカーやゲーム業界の動向を振り返る。


 良く言えば優等生的で、ファミコンの歴史の「本流」が、コンパクトにまとまっている。
 その一方で、カタログっぽいというか、当時のファミコン雑誌でいえば『ファミマガ』みたいで、書き手の思い入れみたいなのが伝わってくるところが乏しい。
 ファミコン関連の「思い出本」というのは『超ファミコン』など、かなりたくさん出ているのですが、そのなかでは、偏りはないし、短時間でファミコンの時代を振り返れる本ではあるけれど、読んでいると、偏りのないファミコン時代の回想というのは案外「面白みがない」ものなのだな、という気がしてきます。
 よく言うじゃないですか、不味いものの話は盛り上げるけれど、美味しいものの話は「おいしい」のひと言で済んでしまうから、あまり続かない、って。
 「ひどかったよねー、『バルトロン』」とか、『エグゼドエグゼス』のズリズリスクロールには参った……とか、『ポートピア連続殺人事件』で、「もんすたあ さぷらいうずど ゆう」の意味が最後までわからなくて、ずっと悩んでいた、とか。
 「つかまされてしまったクソゲーの話」や「みんなには知られていないけれど、自分にとっては思い出深いゲームの話」とかがない「ゲームの記憶」って、けっこう「薄い」。


 この本の『第1章 ファミコンクロニクル』では年次別に、『第2章 ファミコンジャンル』ではジャンル別に、代表作が5本(+1、ちょっとマニアックな作品)ずつ紹介されているのですが、そのチョイスもほぼ納得がいくものです。
 本当に「よくまとまった本」だと思います。
 ちなみに、「1986年の話題作」として紹介されているのが、『ドラゴンクエスト』『ゼルダの伝説』『プロ野球ファミリースタジアム』『たけしの挑戦状』『グラディウス』『悪魔城ドラキュラ』。
 まさに「最盛期」という感じです。
 ファミコンの発売が1983年7月だから、ここまでくるのに、3年くらい。
 この本のなかでは、1994年までの「ファミコンの歴史」が紹介されており、その後のファミコン関連のムーブメントも採りあげられています。
 ファミコンの売り上げ本数歴代1位は、『スーパーマリオブラザーズ』。2位が『スーパーマリオブラザーズ3』で、3位が『ドラゴンクエスト3』。納得のランキングなのですが、ゴルフ、ベースボール、麻雀も、それぞれ200万本以上を売り上げて、ベスト10内に入っています。
 ファミコンというのは日本のテレビゲームの初期から円熟期までを駆け抜けていきました。
 1983年と1994年のゲームを比べてみると、同じハードとは思えないくらいの「技術の進歩」が感じられます。


 あと、ちょっと驚いたのが、ファミコンは日本のハードのなかで、歴代売り上げは6位だということでした。
 僕の感覚としては、まさに「一家に一台」だったんですよ。
 ところが、歴代1位はニンテンドーDSで、2位がゲームボーイ、3位にプレイステーション2と、ようやく据え置き機が登場します。以下、プレイステーションPSPと続いて、ようやく6位にファミコン
 『ファミコン』が家庭用ゲーム機の代名詞になっていた時代が長かった僕としては、ちょっと意外な結果でした。
 

 また、こんな話には驚かされました。

 ファミコンは国民的ハードだったこともあり、非売品ソフトもマニアの手によって次々と発掘されてきた。それでも2010年になって、テレビ番組の観覧者向けに数十本だけ配布された『マイティ文珍ジャック』というソフトの存在がやっと確認された例もある。未だに誰にも全容の分からない世界が、ファミコンにもあるのだ。


 このコラムのなかでは、『ロックマン4』でボスキャラが採用された人だけがもらえるゴールドカートリッジが、『なんでも鑑定団」に出品され、40万円の鑑定結果だったことも紹介されています。
 僕もその場面をちょうど観ていて、「テレビゲームにそんな値段がつくほど、価値が認められるようになったのか」と、少し誇らしく感じた記憶があるのです。
 僕がその40万円をもらえるわけではないのだけれど。

 
 個人的には、巻末の「ファミコン サードパーティ ジ・アフター」という記事が面白かったんですよね。
 ファミコン全盛期に大活躍したサードパーティのメーカーたちは、その後、どうなっていったのか?


 データイーストの項より。

 アーケードではクセの強い作品だらけのメーカーとして知られるが、ファミコンでは『ヘラクレスの栄光』『メタルマックス』『神宮寺三郎』など、コアなファンを持つ硬派な作品が光った。安泰に見えたが、なぜか手を出していたサブビジネスのしいたけ栽培事業の失敗などが響き、1999年に和議申請。2003年に自己破産している。


 なぜ、しいたけ栽培だったのだろう……
 あれだけあったファミコンソフトメーカーも淘汰されていき、一世を風靡したハドソンジャレコも無くなってしまいました。
 ファミコンの歴史というのは、世界史で習った「大帝国の興亡」をみているかのようです。
 「王道」というか、「ファミコンの基礎知識」的な本を、まず1冊、という方には、オススメですよ。


超ファミコン

超ファミコン

超実録裏話 ファミマガ 創刊26年目に明かされる制作秘話集

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